《クオンツ》の仕事研究/理系のための仕事研究
アメリカやイギリスでは1970年代から80年代にかけて、物理学や数学のプロフェッショナルが、徐々に金融の世界で存在感を増してきたと言われています。彼らは高度な数学的知識と統計的手法を駆使して市場の動きや将来起こりうるリスクを数値化し、株式・証券の価格付けやさまざまな金融派生商品の開発・運用などのプロセスを、明確な理論のもとに体系化しようと試みました。
投資の課題に対するこのような手法は、計量分析(quantitative analysis)と呼ばれ、その専門家のことを「クオンツ(quant)」と言います。証券会社や銀行といった金融機関での実務を通じて 彼らが蓄積したファイナンスに関する一連の知識や理論は、現在「金融工学」という名で知られている学問の発展に、大きな貢献を果たしました。