資産運用タグの記事一覧
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《クオンツ》の仕事研究/理系のための仕事研究アメリカやイギリスでは1970年代から80年代にかけて、物理学や数学のプロフェッショナルが、徐々に金融の世界で存在感を増してきたと言われています。彼らは高度な数学的知識と統計的手法を駆使して市場の動きや将来起こりうるリスクを数値化し、株式・証券の価格付けやさまざまな金融派生商品の開発・運用などのプロセスを、明確な理論のもとに体系化しようと試みました。 投資の課題に対するこのような手法は、計量分析(quantitative analysis)と呼ばれ、その専門家のことを「クオンツ(quant)」と言います。証券会社や銀行といった金融機関での実務を通じて 彼らが蓄積したファイナンスに関する一連の知識や理論は、現在「金融工学」という名で知られている学問の発展に、大きな貢献を果たしました。
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トップインタビュー(野村アセットマネジメント株式会社 投資開発部長/資産運用先端技術研究室長 角間和男)理系ナビ2018秋号1980年代初頭のアメリカ。莫大な国家予算を投じられたアポロ計画の終了、さらには東西冷戦の終息により、多くの優秀なロケットサイエンティストがウォール街に流れ込んだ。彼らは量子力学などを金融分野に応用し、金融業界にイノベーションを起こした。これが「クオンツ」の起源といわれている。1988年の日本。大学で宇宙空間物理学を専攻した角間和男氏は、日本におけるクオンツの草分け的な組織でキャリアをスタートさせた。それから30年。現在の角間氏は、クオンツ組織の部長と社内イノベーション組織の創設者という2つの顔を持ち、「資産運用業界のデジタルトランスフォーメーションを推進したい」と語る。