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生命保険


人のライフプランを一生涯支える――日常生活の安定に欠かせない生命保険

私たちの生活の中に存在する様々なリスク。病気やケガ、介護など万が一の事態の際に、お客様やその家族を守る役割を果たすのが生命保険だ。そのようなリスクに備える保障・貯蓄事業に加え、お客様への支払いを持続的に支える資産運用事業も担う生命保険会社では、数理素養やITスキル、論理的思考力といった理系素養が強く求められており、様々な専攻の社員が活躍している。第一生命保険株式会社の協力の下、生命保険のビジネスや理系人材の活躍フィールドについて解説する。


病気やケガ、万が一の事態に備え、お客様の一生涯を支えながら、日本経済の発展を後押しする生命保険

生命保険は日常生活を過ごす中でのけがや病気、万が一の際のリスクに対応した商品はもちろんのこと、介護や就業不能、学資、年金などライフプランにおけるあらゆる場面で、人々を支えています。お客様の、人生における様々な挑戦を後押しする力、また万が一の際に残された家族の負担を軽減し新たなスタートに向けた再起の力となることは生命保険の大きな使命です。

そのような役割を持つ生命保険ビジネスは現在変革期の最中にあります。生命保険のありようは変化をし続けており、近年は第三分野(医療保険、がん保険、介護保険など)が成長してきました。生活スタイルの変化や市場ニーズの変化によって保険のありようはさらに変化を続けており、近年保険会社が特に注力しているのは健康増進型保険です。

健康増進型保険とは、万が一の際に支払われる補償だけではなく、契約後の健康状態や健康増進への取組みによって保険料の割引や還付金が受けられる保険。保険会社はこれまでの実年齢での評価ではなく、健康年齢を用いた保険商品開発を進めることで、豊かで健康な人生を送れるWell-being(幸せ)の価値提供に努めています。

次に、「資産運用立国」の実現に向けた国や個人での意識変革です。NISA(少額投資非課税制度)の拡充に代表され、将来に向けた資産形成を促進する動きが活発化しています。そのようなニーズに沿った資産形成型商品の開発はもちろんのこと、保険会社ではお客様からお預かりした保険料をもとに長期に安定した運用を行う必要性が増してきています。第一生命保険では、国内外の株式・債券・貸付金・不動産などに対し、市場環境に応じた機動的な資産配分を行うことで、全体のリスクバランスをコントロールしながら長期的かつ安定的な資産運用をしています。

最後に、生成AIをはじめとしたテクノロジー、そしてデジタルトランスフォーメーション(DX)によるビジネスモデルの変容が進んでいます。生成AIを活用したチャットサービスを通じ、自然と将来のことや、必要な備えを考えるきっかけを提供したり、AIによる保険金査定の業務効率化、保障プランを自動生成しレコメンドするシステム等が利用されています。保険ビジネス(Insurance)とテクノロジー(Technology)の両面から生命保険事業独自のイノベーションを創出する「InsTech」の推進も進んでいます。

このように生命保険を巡る環境が変わりゆく中、第一生命グループでは世の中の変化に沿って、狭義の生命保険業に留まらない幅広いサービスを提供する「保険サービス業」への転換を進めています。その中で多様な人材、特に理系人材の活躍への期待は大きくなっています。


理系出身者が輝く生命保険という舞台

意外に思われるかもしれませんが、生命保険業界では幅広い分野で理系出身者が活躍しており、その活躍フィールドも広がり続けています。理系の学問で得た数理的思考・センス、IT・データ分析といったスキルはもちろんのこと、仮説や検証を行うプロセス、論理的思考力、探求心や粘り強さといった部分はあらゆる職種で活かすことができます。数学や物理系、情報系だけでなく、生物系や薬学系、建築や土木系といった多様な専攻において知識やスキルを活かせる職種があります。

具体的には、顧客データなど自社が持つビッグデータを分析し保険商品開発やヘルスケア・医療分野のR&Dに関わる【データサイエンティスト】、確率や統計といった数学の知識・手法を用いて、保険料率の算定、保険会社の経営・財務の健全性チェック、リスク分析等を担う【アクチュアリー】、経営戦略や事業を実現するうえで必要不可欠なシステムの企画/運用を行う【ITデジタル】は、競争力の要となる部門です。

また、幅広い資産を投融資対象として長期的な収益の獲得を目指す【資産運用】をはじめ、数理科学的な手法な手法を用いて、資産運用手法の開発業務や金融派生商品の評価モデル構築業務を行う【クオンツ】、金融市場や保険引受のリスク等の計量、分析を通じて資産の健全生を維持/向上させる【リスク管理】は、今後ますます重要になっています。

さらには、契約の引受可否を判断する【アンダーライティング】は、生物系や薬学、医療系の知識を用いて活躍する理系社員もいます。これら理系の学問が直接活かせるポジションだけではなく、【海外事業】でも理系人材は活躍しています。各国の経済の成長性だけでなく、金融や保険事業に関する法制度、生活文化やライフスタイルなどリサーチする力、そこから必要な情報を取捨選択する力、戦略的かつロジカルに組み立てて提案する際に、マーケットに対してある程度仮説を立て、検証し、また結果を分析して回していく。このような力は、理系出身者が普段の授業や研究における考え方と同じであり、理系の強みを存分に発揮できます。

第一生命では、入社5年以内の海外勤務を原則確約する海外コースを設けるなど、より一層海外に向けた取り組みも加速しています。


生命保険における主要な理系の活躍フィールド

●データサイエンティスト

統計解析やITスキルを駆使して膨大なデータを収集・分析し、企業戦略における様々な意思決定を支援するスペシャリスト。

お客様の年齢や家族層、病歴といった属性や契約データを用いた保険の新商品開発はもちろんのこと、機械学習を用いたビッグデータ解析や医療・ヘルスケア分野領域のR&Dの取り組み(疾病・健康リスク予測技術)など、保険にとどまらないフィールドで活躍できます。

【活躍している専攻】情報、理工学系全般

【理系との親和性】データエンジニアリング力、プログラミング能力、AIや機械学習スキル、データから傾向を見出す力、数学・統計学(モデリング)の知識、論理的思考力


●生保アクチュアリー

将来のリスクや様々な不確定要素を確率論や統計学といった数理的手法を駆使して、目に見える形にするスペシャリスト。主に、プライシングと呼ばれる「保険商品の保険料率設定」、決算や収支予測業務の「バリュエーション」の二つを担います。

そのほかにも会社のM&A先における企業価値評価や資産運用におけるリスク評価、データサイエンスの領域まで業務が広がっています。

【活躍している専攻】数理、理工学系全般

【理系との親和性】確率統計を中心とした数理素養、継続的な学習習慣や粘り強さ、説明力、数字の意味や背景を考える力、データやファクトの分析能力


●IT・デジタル

保険料の算出から契約の管理、保険金の支払いまで様々な保険業務を支えるシステムの構築・運用をはじめ、サイバーセキュリティの強化、AIを使ったデータ分析による業務効率化、既存事業の改善や新規事業の立案、実現に向けたIT提案、DX推進によるCXや個人能率向上など、企画・立案から開発・導入まで一貫して携わります。

金融機関にとってITシステムは経営戦略や事業を実現するうえで必要不可欠。ITへの知識はもちろんのこと、生命保険ビジネスの創造や業務効率化等に向けた企画力など普遍的なスキルを身につけられます。

【活躍している専攻】情報系、理工系全般

【理系との親和性】AIやシステムのIT知識、確率統計を中心とした数理素養、IT技術を分かりやすく説明する力、提供された根拠に基づいたプレゼン力


●クオンツ

金融・投資やリスク管理に関する問題を、数理科学的手法やプログラミングといった工学的手法を用いて問題解決に取り組むスペシャリスト。投資ポートフォリオの設計や運用戦略の立案、実行に基づくリスク評価などを行います。

資産と負債を両面から見てリスクとリターンの管理をするALM(Asset Liability Management)、経済指標・株価・為替のようなマーケットデータ、企業ニュースといったテキスト情報などのビッグデータを活用して投資判断を行うこともあります。

【活躍している専攻】数理、理工学系全般

【理系との親和性】確率統計を中心とした数理素養、シミュレーションやデータ分析能力、データの背景を読み解く論理的思考力


●リスク管理

金融市場の悪化や為替の変動、システム障害、パンデミックや風評被害など世の中には様々なリスクが存在します。リスクを踏まえた事業計画の策定を推進することが金融機関にとってはとても重要です。特に生命保険では、生命保険契約の長期性や死亡率などの不確実性に伴う保険引き受けリスクや、金融市場リスク、個別取引毎の与信に関わる信用リスクなどが当たります。

VaR(予想最大損失額)などを用いたリスク量の計測手法によりリスクを数値化、それらの特性分析、リスクの統合的管理などを行い、資本・リスク・利益の状況に応じた経営計画・資本政策などを策定して事業活動を推進するERM(統合型リスク管理)の実施につなげています。

【活躍している専攻】理工学系全般

【理系との親和性】仮説検証能力(実験分析実践改善のPDCAサイクル)、見方を変えて共通な仕組みや論理を見つけ出す力、数理的センス


●資産運用

お客様からお預かりした保険料を基にし、「機関投資家」として株式、公社債、外国株式・債券、貸付金、不動産など様々な投資による資産運用を行います。

ALM運用(※)により長期・安定的な収益の獲得を目指すとともに、責任ある機関投資家として、持続可能な社会の実現に向けた重要課題の解決にも取り組みます。理系として、データに基づいた判断力、仮説検証のサイクルを普段の業務でも活かせる職種となります。

※Asset Liability Management:資産と負債を総合的に把握し管理する運用手法

【活躍している専攻】理工学系全般

【理系との親和性】常に最新情報をキャッチしようとする知的好奇心の高さ、俯瞰的視野、定量データから定性情報を抜き出す力、仮説検証プロセス、データリサーチ力


●アンダーライティング

新規契約の引受可否を判断する業務。お客様からお預かりしているご契約1件1件を確実に管理し、保険金・給付金のお支払いを迅速・正確に行う重要な仕事になります。

お客様の契約内容、サービス時にご提出いただいた事務帳票といった各種データだけでなく、医療情報などに基づき判断が必要になるため、医務的知識や生命薬学系の知識をダイレクトに活かせる場面も多々あります。

【活躍している専攻】薬学、医学系、理工学系全般

【理系との親和性】医学薬学的知識(特に人の体に関する知識)、状況想定力、論理的思考力


●海外部門

日本や欧州、北米では生命保険が十分に浸透しマーケットも大きいですが、高いGDP成長率を誇るASEANを中心としたアジア諸国はまだ保険の浸透度が低く、今後、保険市場が急拡大する可能性を秘めています。

このような状況下で国内の大手生命保険会社の多くは、海外の現地保険会社との業務提携やM&Aなどを通じて海外事業基盤の拡大を図っています。現地での駐在業務だけでなく、サクセスファクターやボトルネックの原因を見つけるために、日々の業績から分析を俯瞰的に行い、そこから施策を企画、スタッフの実行支援を行っています。

【活躍している専攻】理工学系全般

【理系との親和性】データ分析力、ボトルネックを見出し解決する課題解決能力、数理センス、Excelスキル、英語力



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