「動画選考」対策準備講座


就職活動やインターンシップの選考で実施企業が増えている「動画選考(動画面接)」。近年はマスコミ、商社、メーカー、建築、不動産など、様々な業界・企業で動画選考の導入が進んでいます。動画選考とは、「自己PR」や「志望動機」といった出題テーマをもとに志望者が動画を撮影し、企業がその動画で選考を行う採用手法です。とはいえ、動画選考はまだまだ選考対策の情報が少なく、ノウハウがないという悩みが就活生から聞こえてきます。このページでは、動画選考の概要から動画制作のポイントまで解説します。


書類だけでは伝わらない本人の魅力を伝える

そもそも企業はなぜ動画選考を行うのか、その背景を知っておきましょう。就職活動では、一次選考では履歴書やエントリーシートといった文字情報のみで合否の判断を行うケースが大半です。企業側としても理想を言えば、「志望者全員と会って話をしたい」というのが本音なのですが、膨大な人数の応募者に対して面接を調整したり、遠方在住の学生に移動コストと時間をかけて来社してもらったりするのは現実的ではありません。

とはいえ、実際に会って話をする「面接」を通じて本人から得られる情報は非常に多く、エントリーシートから受ける印象とは全く異なるというケースも珍しくありません。

「清潔感のある身なりができているか」「話し方に熱意がこもっているか」といった書面だけでは読み取ることが難しい情報を企業は動画選考を行うことで得られるのです。そのような、「書類」と「実際の人柄や印象」のギャップを埋める選考手法の一つが動画選考といえるでしょう。

学生から見ても、「遠方在住の学生も、書面+αのアピールの機会が持てる」、「書類選考だけでは通過が難しくても、動画で印象を変える機会が得られる」というメリットがあります。一方で、話し方や仕草、身なりといった面をチェックされるので、面接と同等の対策をする必要があります。また、動画選考独自の注意点やコツもあるので、そのポイントを押さえておく必要があります。

動画選考風景


動画選考の流れと出題テーマ

  1. メールやマイページに企業から動画選考の案内が届く

  2. 動画選考の特設WEBページやアプリにログイン

  3. 出題テーマを確認し、動画を撮影

  4. 撮影動画をアップロードし、完了

動画選考において企業から出題されるのは、「自己PR/自己紹介」や「学生時代に頑張ったこと」「志望動機」といったテーマで、制限時間は1分~5分程度のケースが多いようです。


動画選考の対策ポイント

服装

「服装自由」の記載がない場合はスーツ着用が無難です。髪型なども整えて面接と遜色のない身だしなみで臨みましょう。服装を含めて個性的なPRを期待している記述があれば、部活のユニフォームを着用してフォームを披露するといったPRも可能です。


撮影環境

動画撮影に必要なPC/スマートフォンの環境を確認・準備しましょう。カメラとマイクが使えるよう設定を行ったり、OSの最新版アップデートなどが必要となる場合もあるので注意しましょう。また、スマートフォンの場合は撮影中の着信を避けるために機内モードの設定を推奨します。


撮影場所

周囲に人がいたり、雑音が入ったりしない静かな場所で撮影しましょう。背景は余計なものが映り込まない壁などをバックにした明るい場所がお勧めです。明るさが十分でない場所では、顔が暗く映ってしまいマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。カメラ位置は自分の目の高さと同じくらいの位置で、動かないようにしっかり固定しましょう。


話し方

笑顔で、ゆっくりと大きな声で話すことを心がけましょう。特に話すスピードや声のトーン、声量は自分のイメージと実際で大きく異なることが多いので、一度は自分で撮影して確認することをお勧めします。また、カメラ相手は話しにくいかもしれませんが、向こうに人がいることをイメージして、視線をずらさずに話しましょう。


話す内容

動画選考は制限時間が1分程度とかなり短いものも少なくありません。そのため、面接よりも話の内容をさらに端的にまとめる必要があります。欲張って複数の要素を盛り込み過ぎると、結局どれも中途半端になってしまうので、一番伝えたいことを念頭に話の内容をコンパクトに洗練させましょう。


動画選考を実施した企業

ANA、JAL、資生堂、三井物産、三菱商事、伊藤忠商事、日本ハム、リクルート、TBS、日本テレビ、フジテレビ、三井不動産レジデンシャル、野村不動産グループ など