グループディスカッションにおける評価ポイントはプロセスにあります。つまり、結論よりも“議論の過程で各人がどのような貢献をしているか、役割を担っているか”といった点が重視されています。 グループディスカッションで出される議題というのは、
など、どちらかというと答え自体があいまいなものが多いです。 大切なのは、その結論を納得させられるような理由を論理的に言えるか、 そのための建設的な議論ができるか、ということです。 それでは、「知力・気力・体力、どれが大事?」というテーマを例にとって、 グループディスカッションの流れを紹介していきましょう。
〈1〉自己紹介・役割分担
自己紹介をした後、必要に応じて役割を分担します。 ただ、当然ながら初対面の相手の力量が分からないまま役割分担することにはリスクも伴いますので、 役割を決めないで進行するというのもひとつの戦略です。
議長 | 場を取り仕切る | 発言チャンスが多い |
---|---|---|
書記 | 議論の記録 | 議論全体を把握できる |
タイムキーパー | タイムマネジメント | 進捗状況を把握できる |
〈2〉時間の振り分け
規定時間をどのように使うか、方針を共有する。下図は、規定時間が30分の場合の時間配分の例です。
〈3〉議論の流れの確認
「知力・気力・体力のうち、どれが一番大事なのかという問題設定だよね?」
〈4〉仮説の設定
「新人営業マンとしてはどれが大事だろう?」※特に抽象的な出題の場合、前提となる状況設定を行う。
〈5〉言葉の定義づけ
「体力って、長時間働ける能力のことだよね?」※状況設定や言葉の定義をあいまいなまま進めても、建設的な議論をするのは難しい。
〈6〉状況設定
「体力vs知力の場合は、足で営業の成果を出すのか、それとも頭で営業の方法を工夫すべきなのか」※状況設定を踏まえ、対立する議論を集約する。
〈7〉最終的な結論を設定する
「決を取った結果、気力で行きましょう」
〈8〉結論へのロジックの整理
「結論に至るまで、どう状況を設定しただろうか。結論を証明する理由は何だっただろう?」
〈9〉発表の練習
〈8〉で整理した流れを発表する練習をする。 対策としては、とりあえず場数を踏むこと。これは通常の面接でも同じことが言えますが、グループディスカッションの本質は大勢での会話です。そして毎回メンバーも違います。しかし場数を踏むことによって、議論の流れなどを読み取る力は確実についていくはずです。 グループディスカッションにおいて企業に高く評価されるのは次のような人です。
簡単にいうと、この中のうちのどれかひとつのスペシャリストになればいいのです。もちろん全部できるに越したことはないですが、そんな事ができる人は本当に稀です。逆に無理にやろうとしてしまうとどれもが中途半端になってしまいます。うえの中から自分の得意そうな役割を把握し、それを念頭において行動するようにすれば、きっと本場でもうまくいくはずです。 まとめるとグループディスカッションに求められる能力は、論理的思考能力/調整能力/問題構造化能力/リーダーシップ/チームマネジメント/コミュニケーション能力などです。これはビジネス能力、ビジネス資質に通ずるところがあります。つまり根本的な部分では面接とほぼ同じなのです。大切なのは、いかに他人と協調しつつ自分をアピールできるかどうかといえるでしょう。
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