就職活動本番さながらの選考を行っているプログラムも

インターンシップは、あくまで就業体験の場であるため、「就職活動本番よりも選考は簡単で、特別な対策は必要ない」と考える方もいるかもしれません。しかし、企業が実際に採用する人数よりもインターンシップの受け入れ人数のほうが少なく、参加者を厳選している場合も珍しくありません。そのため、参加したいインターンシッププログラムがある場合は、どのような選考が行われているのかを知り、しっかりと準備することは非常に重要といえるでしょう。インターンシップにおいて実施されている選考は、エントリーシート、筆記試験、面接という3つのプロセスを経るのが一般的となっています。それぞれの選考ポイントをチェックしてみましょう。

エントリーシート

エントリーシート

志望者の専攻分野や研究内容といった基本的な情報や志望動機などを記入するエントリーシート。多くのインターンシップで、選考の第一段階として提出を求められます。エントリーシートは、選考の第一関門であるのはもちろん、のちの面接において質問の材料となるので、油断はできません。

設問の内容は様々で、その文章量も企業によって大きく異なります。通常、「志望動機」や「卒論について」などを聞かれるのが一般的ですが、なかには「新製品のアイデアを企画してください」といった、製品・サービスについての知識が問われるものや、「あなたの性格を漢字一文字で表すと?」などのユニークな発想力がもとめられる設問などもあります。

よいエントリーシートを書くには、出題者がどういった意図で質問しているかをしっかり理解するよう努め、論理的な文章で回答することが不可欠です。エントリーシートの内容を向上させるには、客観的な視点が必要となるため、提出前には友人や家族など、第三者に読んでもらうことをお勧めします。

筆記試験

筆記試験

近年はWEBテストが主流になっていますが、マークシート形式の試験もあります。企業によっては、この段階で志望者の9割を落とすこともあり、事前の対策を怠ると、志望する企業でインターンシップに参加することが難しくなります。

内容は、おもに言語、非言語、性格テストなどで、有名な「SPIテスト」(計数、言語、性格)、や、「CAB」(暗算、法則性、命令表、暗号)、「GAB」(文章読解、表・グラフ、性格)、「GMAT」(分析的論述、言語能力、数学的能力)、判断推理、数的推理(算数)などが一般的です。事前の知識がないと解けない問題もあるため、対策は必須といえるでしょう。

いずれのテストもスピードが求められ、時間が足りなくなることもしばしばですので、場数を経験して慣れることも重要です。企業によっては、前述したテスト形式に加え、論述試験、小論文、英作文などが出題される場合もあります。外資系のなかには、問題を英語で記載している企業もあり、志願者は普段から英語力を向上させておく必要があるでしょう。

面接

面接

一対一の面接から、複数社員との面接、他の参加者を交えたグループ面接など、さまざまな形式で行われます。インターンシップの場合、面接が1回で終わる場合もあれば、複数回行われる場合もあります。質問される内容は、「志望動機」や「弊社のサイトを見たことがありますか?」などが一般的ですが、インターンシップならではの、「プログラムに参加することで何を見につけたいか」といった質問もあり、内容は様々。自分の過去の体験、力を入れたことなどについて聞かれることが多いので、事前に自己分析を行っておけば、面接のあらゆる局面で役に立つはずです。また、志望する企業や業界についての知識・関心が問われることも多く、企業・業界研究も必須です。

コンサル業では、グループディスカッションやケース面接がたびたび行われます。グループディスカッションは、個別の面談と異なり、コミュニケーション能力とチームワークが要求されるため、慣れが肝心です。また、コンサルのケース面接では、「日本にマンホールはいくつあるか?」といった、実際に調査するのが困難な分量を、いくつかの手掛かりをもとに推論して算出する、フェルミ推定の考え方が要求される場合があります。また、外資系企業では、しばしば面接が英語で行われます。