インターンシップとは1990年代初頭にアメリカで開発された教育プログラムで、学生が在学中に自分の興味のある仕事や業界など、将来のキャリアに関連した就業体験を行うことができます。学生時代にインターンシップに参加することで、専門分野の学習とそれに関連した実務と体験することができ、これにより…
といった意図があげられます。 現在インターンシップを体験する学生は年間数万人にのぼり、制度自体の認知度も非常に高くなっています。特に、学部3年生や修士1年生の夏休みに実施される「サマーインターンシップ」は、今や就職活動を成功させるために欠かせないものとなりつつあります。
など、個々人に違いはありますが、学生がインターンシップから学び取れることはたくさんあります。まずは「どのような種類のインターンシップがあるのか」や「どのような目的で実施されているか」を理解したうえで、応募する企業を選んでみましょう。
インターンシップで給与が発生するかどうかは、その目的によって変わります。 企業が学生にとっての「就業体験」や「教育」という点に比重を置いているインターンシップの場合は、交通費などの実費のみが支給されるというケースが多くなります。 また、大学3年生、大学院1年生の夏休みに行われる“サマーインターンシップ”のように、新卒採用のプロセスの一環としてインターンシップを利用している企業の場合、お金が支払われるかどうかは企業の考え方によって千差万別です。 一方、企業が実際の戦力として「雇用する」タイプのインターンシップは基本的に給与が発生します。この場合、雇用形態は長期になります。時給形式で支払われることが多く、アルバイト型インターンなどと呼ばれる場合もあります。企業や勤務時間によっては、一カ月に20万円以上稼ぐインターン生もいます。これは普通に考えるとなかなか学生のアルバイトに対して支払われるような額ではありませんが、純粋に会社がインターン生の働きによって得ている利益の対価が支払われているだけであり、自分の働きによって給与を得ることも大きな社会経験になるはずです。理系ナビでご紹介している長期インターンは基本的にこのアルバイト型のインターンシップとなります。
アルバイトとインターンシップの違いは目的意識にあると考えています。「お金を稼ぐ」目的ならアルバイト、「学ぶ・考える」ことに目的があるのならインターンシップと見なすことができるわけです。アルバイト情報誌に掲載された仕事を体験した場合でも、将来のキャリアについて「学ぶ・考える」姿勢で働くのであれば、“インターンシップ”と呼べるのではないでしょうか。逆に、インターンシップに参加しても、目的意識を持たないままではインターンシップとはみなせないと思うのです。大事なことは、アルバイトであれインターンシップであれ、将来の夢、キャリアにつながるよう、目的意識と責任感を持って働くことではないでしょうか。
プログラミングなど、特定の専門知識を要求される場合もありますが、「やる気さえあればOK」という企業がほとんどです。まずは挑戦してみてください。あとはあなたがどれだけ意欲的に学んでいけるかにかかっています。
「インターンシップへの参加」が就職活動を有利にするかどうかですが、「企業による」というのが実情です。「内定者の半数以上が自社のインターンシップに参加した学生」という企業がいる一方で、「インターンシップ参加の有無は一切考慮しない」と公言する企業もあります。 しかし、
授業が忙しくてあまり時間が取れない場合は、長期休暇の際に実施される短期インターンへの参加を考えてみましょう。長期インターンに参加する場合でも、企業によっては勤務時間や日数にある程度の融通はききます。理系ナビでもさまざまなインターンの情報を提供していますので、まずはキャリアコンサルタントに相談してください。 実際にインターンとしての勤務が決まったら、いくら学校が忙しくても無断で遅刻、欠勤などをすることはもちろん許されません。逆に、インターンをするために大学の授業を休む、というのもおすすめ出来ません。学生の本分はあくまで勉強です。大学で学びながらに、インターン先では大学では学べない大切なことを学ぶ、というところにインターンの真の意味があるのです。
短期インターンシップ
短期インターンシップは短いもので1日、長いものでも数週間となります。春休みや夏休みの長期休暇中におこなわれるため、 比較的参加しやすいのが特徴です。期間中は終日就業する場合が多く、業務としては「一定の定められたプログラムをこなす」というタイプが大半です。企業の業務についてレクチャーを受ける「セミナー型」、 与えられた課題をこなし、最終的にプレゼンテーションなどで結果を報告する「ワークショップ型」のほか、実際に 企業内で社員と一緒に業務が経験できる「就業体験型」などがあります。この形態は企業によって様々です。 基本的には“就業体験”を目的としているので、報酬は出ない場合が多くなります。就職活動前に「説明会や面接だけではわからない、業務内容や社風を身をもって知ることが出来る」というのが短期インターンの最大のメリットです。
長期インターンシップ
長期の場合は、期間は1ヶ月以上で基本的に日程を区切らず、学生の授業のスケジュールなどと折り合いを付けながら週に数日の勤務をします。 週3日/1日4時間以上などといった条件を企業が定めていますので、企業との相談の上で、勤務日が定められることになります。報酬は時給形式で支払われることが多くなります。 仕事内容としてはより実践的なものが多く、社員に準ずる業務を担当できます。そして長期的に勤務し、能力や責任を認められれば、社員と同じ内容の業務を任せられる可能性もあります。 長期インターンにおける業務体験を通じて、自身の興味対象や仕事への適性についての確認、企業や仕事についての本質的な理解をすることができるでしょう。
短期インターンシップ | 長期インターンシップ | |
期間 | 1日~数週間 | 1ヶ月~ |
実施時期 | 主に春休み、夏休みの長期休暇 | 時期は特に決まっていない |
仕事内容 | 就業体験がメイン | 社員に準ずるような実践的な仕事が多い |
報酬 | 出ない場合もある | 時給形式で支払われることが多い |
目的 | 比較的短期間で、業務内容や社風を知ることが出来る | 業務を通じた適性の確認 より本質的な企業・仕事理解 |
大学では様々な物事を学ぶ“インプット”する作業がメインになります。しかし社会に出たときに求められる能力は、企画やアイデアを出す、改善策を見つけるなどの“アウトプット”する力なのです。インターンシップに参加すると、就業経験を通じて“インプット”と“アウトプット”という作業を同時に行うことができます。大学で学んだ知識を実際に使いつつも、大学とはまた違ったいろいろなことが学べる、これがインターンの最大のメリットでしょう。これは学生のうちにしか出来ないとても貴重な経験です。もちろんインターンシップ経験は、就職活動においても有利になるのは間違いないはずです。
大学で必要とされる能力 | 学ぶ・研究するといったインプット力 |
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社会で必要とされる能力 | 企画やアイデアを考え出す・人と話す・改善策を見つけるといったアウトプット力 |
とくに理系学生の場合、将来のキャリアを考えていく上で、インターンシップは重要な経験になります。
自分の希望する企業や職種を、学生のうちにインターンを通じて内側から見ておくことにより、就職後に「自分の想像していた仕事と全然違う」「自分はこの仕事には合わない」などどいった事態にはならないはずです。自分のキャリアビジョンを一つの分野に絞ってしまう前に、あえて他の分野でインターンをすることによって、広い視野で自分の将来のキャリアを考えることも出来ます。 大学で学んだことが社会に出て働くうえで実際にどのように使えるかを知り、 専門分野から専門分野以外の業界、職種まで、広い視野で自分に適した将来のキャリア について考える機会を作るため、ぜひともインターンシップを経験してみてください。
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