鉄鋼・非鉄金属業界《メーカー》理系ナビ業界研究


あらゆる産業の基盤となる金属で「ものづくり」を支える鉄鋼業界

扱う鉱物や生産手法・作り出す製品はメーカーによって様々

鉄鋼業界は、鉄鉱石や石炭、鉄スクラップといった原料を加工して作った鋼板・鋼材を、自動車や産業機械、建築資材、家電など、あらゆる産業に提供しており、まさに「ものづくり」を支える業界であると言えます。高炉を使って鉄鉱石から鉄を取り出し、粗鋼(鋼材に加工する前の鋼)までを一貫生産する高炉メーカーと、鉄スクラップを電炉で溶かして鉄を作る電炉メーカーに大別できるほか、電炉メーカーの中でも鉄にニッケルなどを加えた鉄合金を生産する企業は特殊鋼メーカーと呼ばれることがあります。

非鉄金属業界はその名の通り、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケルといった鉄以外の金属を扱う企業で構成されており、鉱山開発を行う企業や製錬所で純度を高めた地金を生成する企業に加え、それらをアルミ板や電線、銅線、自動車材料であるワイヤーハーネスなどに加工する企業も含まれます。

日本の高炉メーカーは日本製鉄(2019年4月に新日鐵住金から社名変更)、JFEスチール、神戸製鋼所などが代表的ですが、新日本製鉄が2019年1月に日本製鋼を完全子会社化するなど業界再編が進んでいます。電炉メーカーでは東京製鐵、共英製鋼、トピー工業、特殊鋼メーカーでは大同特殊鋼、日立金属、山陽特殊製鋼、三菱製鋼などが代表的な企業です。

非鉄金属メーカーでは鉱山開発から手がける住友金属鉱山(銅、金、ニッケルなど)、三菱マテリアル(銅、アルミ、セメントなど)、さらには加工をメインとする住友電気工業(電線、ワイヤーハーネス)、古河電気工業(光ファイバー)などの企業が挙げられます。


経営統合を中心に多様な取り組みで競争力強化を進める国内鉄鋼メーカー

日本の粗鋼生産量は年間約1億トンで世界3位(2018年)ですが、首位の中国はその約8倍を生産。世界の粗鋼生産量の約半分を占めているため、世界の鉄鋼市況は中国抜きに語ることはできません。たとえば2014年から2016年初頭にかけては、過剰な生産能力を抱えた中国の鉄鋼メーカーが、安価な鋼材を世界中に輸出したことで日本を含む世界各国の鉄鋼メーカーが大幅減益や赤字に追い込まれました。2016年以降は中国政府が過剰生産能力の削減に乗り出したことにより、中国国内の内需回復と輸出減少が進んだため、現在は市況が回復しています。ただ、アメリカが鉄鋼、アルミ製品の輸入制限を発動するといった懸念材料があることも確かです。

こうした世界情勢を背景に、日本の鉄鋼メーカーは経営統合による事業規模の拡大や生産設備の集約によるコスト削減に取り組んでいます。さらには日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所の3社が共同で、自動車業界でニーズの高まっている軽量で強度が高い超高張力鋼板(超ハイテン)の開発を行う国家プロジェクトに参加するなど、多様な取り組みを進めることでグローバル市場における競争力を高めようとしています。


鉱山開発とリサイクルで原料を確保。電線大手は海外事業を活発化

新興国の経済成長や電気自動車(EV)の普及を背景に、非鉄金属の消費量は今後も増え続けると予想されています。2018年には住友金属鉱山がケブラダ・ブランカ銅鉱山(チリ)の開発をスタートするなど、日本企業による権益確保も活発です。とは言え、開発が容易な鉱山は既に開発しつくされており、開発地の奥地化・高難度化によって開発費が膨張している状況もあります。そのため、非鉄金属メーカーでは金属スクラップや電子スクラップから希少金属を回収するリサイクル事業に注力する企業も増えています。

非鉄金属業界の中でも電線業界大手は海外展開を活発化させています。住友電気工業はドイツのシーメンスと都市間をつなぐ大規模送電システムで提携し、欧州・アジアの開拓を進めているほか、通信用光ファイバーに強みを持つ古河電気工業は北米やアジア、インドで事業を展開しています。また、電線や銅線周辺については電気自動車(EV)用のアルミハーネスの軽量化、自動運転関連の周辺監視レーダーといった関連部品でニーズが高まることも予想されています。


鉄鋼・非鉄金属メーカーで求められる理系の専攻・スキル・知識

研究職、設計開発職、生産技術、品質管理、プラントエンジニア、技術営業といった職種で理系学生が求められています。金属、材料系の学部・学科出身者だけでなく、機械、電機・電子、情報、化学など幅広い理系学生を求める鉄鋼・非鉄金属メーカーもあります。具体的な学部・学科を挙げると材料・材料工学、物質化学、材料物理科学、物質創成、マテリアル科学といった材料や物質、マテリアル系出身者の割合が高く、それ以外では機械・電気電子系、プロセス・化学工学系の出身者も多いようです。また、大手鉄鋼メーカーなどでは自社プラント開発や、自社の鉄鋼材を活用した大型建設プロジェクトの推進にゼネコンと合同で携わることがあるため、土木・建築系の学部・学科出身者を求めている企業もあります。そのほか、調達や技術営業といった職種では学部・学科や専攻を問わずに理系学生を歓迎している企業もあります。


≪鉄鋼・非鉄金属業界売上ランキング≫

1位:日本製鉄(旧社名:新日鐵住金) 6位:日立金属
2位:JFEホールディングス 7位:古河電気工業
3位:住友電気工業 8位:住友金属鉱山
4位:神戸製鋼所 9位:フジクラ
5位:三菱マテリアル 10位:UACJ

※2019年3月期


≪理系新卒採用実績がある鉄鋼・非鉄金属メーカー≫

日本製鉄グループ、JFEホールディングス、古河電気工業株式会社、共英製鋼株式会社、合同製鐵株式会社、神鋼鋼線工業株式会社、三井金属鉱業株式会社、住友電気工業株式会社、山陽特殊製鋼株式会社、東邦亜鉛株式会社、三菱マテリアル株式会社、住友金属鉱山株式会社、三菱製鋼株式会社、日本製鉄株式会社、株式会社フジクラ、大同特殊鋼株式会社、JX金属株式会社、昭和電工株式会社、DOWAホールディングス株式会社 ほか

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