理系の仕事・職種研究　≪セールスエンジニア／プリセールス≫

セールスエンジニア／プリセールスの具体的な仕事内容や業務のやりがい、新卒採用で求められる応募資格（学部・専攻など）や採用実績のある企業などを解説します。理系が活躍できるセールスエンジニア／プリセールスの魅力とは。

セールスエンジニア／プリセールスの仕事内容とは

IT業界のセールスエンジニアは、ものづくりメーカーにおける技術営業に近い職種です。実際にIT業界でも「技術営業」と呼ばれることもあるほか、企業によっては「プリセールス」と呼ばれる場合もあります。セールスエンジニアは、基本的には営業担当に同行し、技術的な知識を活かして自社製品・サービス、あるいはソリューションを提案する役割を担っていますが、法人向けのハードウェアやソフトウェアといった高額な製品がカタログの紹介や簡単な商談だけで売れることは多くありません。セールスエンジニアには、顧客ニーズの丁寧なヒアリングから、自社の製品・サービスが顧客のニーズを満たすか否かの判断、製品を顧客の環境に導入する際の技術的課題の調査、その課題の解決方法までを含めて提案することが求められます。

また、セールスエンジニアは企業や取り扱い製品によって求められるミッションに幅があることが多く、セールス的な要素が強いこともあれば、プレゼンやデモ用のプログラム作成、システム要件の提案といった、エンジニアやITコンサルタント的な業務を担当するセールスエンジニアも存在します。

セールスエンジニア／プリセールスにおける仕事のやりがい

IT業界のセールスエンジニアが扱う製品やサービス、ソリューションは非常に高額なものであることが多く、導入する企業側にとっても大きな投資となります。自らの技術的知見や製品知識、提案力を活かして、顧客に高額な投資を決断させるとともに、投資額以上の価値を提供していけることがセールスエンジニアの仕事の醍醐味です。

また、ユーザーと向き合う機会が多いため、専門性を活かしつつユーザーの顔が見える環境で働きたいと考える方にとっては最適な仕事といえるでしょう。

セールスエンジニア／プリセールスに求められる専攻・スキル・知識

主に大手企業向けの製品・サービス、ソリューションを提供しているIT企業でのニーズが高く、ITベンダー（ソフトウェア、ITサービス、システム、IT関連製品などを販売する企業）での採用が活発です。情報系を中心に、数学、物理系の学生が歓迎されますが、IT領域における一定の基礎知識や興味関心があれば専攻や学部・修士に関して問わない企業が多いようです。ITに関するバックグラウンドやプログラミングの経験があればもちろんアピールにつながりますが、理系で培われた論理的思考力や数理的知識も歓迎されます。

また、実際の仕事においては顧客接点が多い仕事となるため、ヒアリングやプレゼンテーションの能力が求められるほか、社内外のエンジニアや営業担当、顧客を含めた多くの人々を動かすための調整力やマネジメント力も必要です。加えて、外資系企業やグローバル展開を推進している日系企業では英語力が重視されるケースもあります。

セールスエンジニア／プリセールスのキャリア

営業とエンジニア、双方の特徴を持つセールスエンジニアですが、エンジニアからキャリアチェンジをして活躍している人材が少なくありません。それだけ技術的なバックグラウンドが重視される仕事であるといえるでしょう。市場価値の高いセールスエンジニアを目指すのであれば、「エンジニアとして技術や製品知識を身に付けた後に、セールスエンジニアへ」というキャリアプランもあるので、技術を活かしたキャリアを歩みたいと考えている方は、将来の選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょう。

また、自社の製品やサービスによって、顧客の課題を解決する点においてはコンサルタントの仕事内容とも近いため、将来的なキャリアパスの一つとしてITコンサルタントを視野に入れることも可能です。