《2022卒 就活スケジュールのチェックポイント》

【1】22卒の基本スケジュールは21卒から変更なし

  • 2022卒の就職情報解禁は2021年3月、面接解禁は6月から
  • インターンシップは前年の20年夏から冬にかけて実施

【2】一方で基本スケジュールに先行して採用を行う企業は増加傾向

  • 20卒の就職活動では5月末までに55%の学生が内定を受諾
  • 早い企業は学部3年(修士1年)の秋以降から採用活動を開始

【3】22卒対象のサマーインターンシップは東京オリンピックの影響で縮小傾向か

  • 2020年の夏季に首都圏で実施されるインターンシップは会場確保が困難に
  • 22卒向けインターンは秋から冬に時期をずらして実施を検討する企業も

【4】企業選考におけるインターンシップ重視の傾向はさらに強まる

  • 採用直結型のインターンシップを実施する企業が増加傾向
  • 参加学生の情報収集の面でもインターンシップは大きなアドバンテージにつながる

2022卒の就職活動はいつから始まる?就活スケジュール変更は?

2022年(令和4年)の春に卒業を予定(2020年4月時点で学部3年生、修士1年の学生)している理系学生の就職活動スケジュール、就活解禁はどのような日程になるのでしょうか。代表的な就活スケジュールは例年発表されているものの、その就活ルールに当てはまらない採用活動を行う企業が増加傾向にあり、「いつから、何をすればいいのか」、イメージしにくいという理系学生も多いかもしれません。

さらに22卒を対象にしたサマーインターンシップは東京オリンピックの開催時期と重複することから、会場確保や交通アクセスの面で大きな影響を受けると考えられます。『2022卒 就活スケジュール徹底解説』では、22卒就職活動スケジュールの見通しや、就活ルールの詳細を解説します。

2022年卒の採用情報解禁は2021年3月、面接は6月開始。21卒就活スケジュールから変更なし。

2018年9月の定例記者会見で経団連(日本経済団体連合会)の中西宏明会長は、「現在の就職活動の指針(就活ルール)を2022年春入社の学生から取りやめる」と発表し、企業・大学・政府など各方面で様々な議論が持ち上がりました。しかしながら、就職活動における指針(スケジュールの目安)の急な撤廃は大きな混乱を招くことが予想されるため、政府を中心として議論が続けられました。その結果、「現行の日程が定着しつつあり、維持が望ましい」との意見が大勢を占め、2019年10月に就活ルールに関する政府関係省庁連絡会議において、『2022年卒の就活日程については、現行の2021年卒のスケジュールを維持』とする方針が決定しました。

現在(2021卒)の就活スケジュールを改めて確認すると、まず学部3年/修士1年の夏から冬にかけてインターンシップが実施されます。就活ルール上、就職活動が本格的にスタートするのは翌年3月1日からで、この日から企業の採用情報や会社説明会情報が数多く公開され、就活生も企業エントリーや説明会参加といった活動を本格化させます。そして6月1日から企業の採用選考(面接や筆記試験など)が解禁され、選考通過者に対して随時内々定が出されていく、というのが現行の就職活動スケジュールにおける大まかな流れとなります。

22卒の就活スケジュール、選考プロセスは企業ごとに多様化が進む

前述の就職活動スケジュール、就活ルールはあくまで目安であって、実際はこの就活スケジュールに沿った採用活動を行う企業ばかりではありません。現在でも、学部3年/修士1年の秋以降から採用直結型のインターンシップを行う企業や、翌年の6月以前に面接を実施して早々に内々定を出している企業など、公表されている就活スケジュールに当てはまらない採用活動を行っている企業は少なくありません。特に近年は、就活ルール撤廃を見越して企業の採用活動が一段と早期化しており、2020卒の就職活動では5月末までに55%(19卒同期比8.6%増)の学生が内定を受諾しているという調査結果が出ています(理系ナビ調べ)。

さらに、2022卒の就活からの変化としては、以前は企業(経団連)が主体となって就活ルールを定めていたのですが、22卒からは政府が主導するスケジュールとなったため、就活ルールを順守する企業はさらに減ると見られ、採用活動はさらに早期化する可能性があります。ですから、3月1日の就活解禁日になってから動き出すのではなく、早期からしっかり情報収集に取り組むことが一層重要になるといえるでしょう。

※理系ナビ調べ


≪2022卒 就活スケジュールの見通し≫

2020年4月~6月 インターンシップに関する情報収集。2022卒向け就職・インターンシップ情報サイトがオープン。就活関連イベント・セミナーも開催される。
2020年7月~9月 サマーインターンシップ実施。
2020年10月以降 秋から冬にかけてのインターンシップ実施。一部企業で採用情報の公開や選考が始まる。
2021年3月~5月 採用情報の公開スタート。エントリーシート受付や会社説明会の開催が本格化。合同説明会、就活イベントの開催も増加。一部企業で面接や内々定出しが始まる。
2021年6月 採用選考(面接や筆記試験など)の開始。随時内々定出し。学科/学校推薦の応募受付もこの時期(5~7月頃)に実施する大学が多い。
2022卒就職活動スケジュールの展望

※21卒の動きを参考にした2022年卒対象就職活動スケジュールの大まかな予測見通しです。企業の選考活動時期は多様化しているので、志望企業・業界の選考スケジュールは個別にリサーチしましょう。

2022卒就活時の景気動向は?就職氷河期の再来はあるのか。

現時点では2022卒を対象とした就職活動を取り巻く経済環境は堅調で、新卒求人倍率も1.83(20卒の新卒求人倍率)と、リーマンショック以降2番目に高い数値となっています。一方で、今後の国内景気動向については、オリンピック後の景気落ち込みや消費税増税の影響を懸念する声もあり、世界経済を見ても米中貿易摩擦やBrexit(イギリスのEU離脱問題)、など不確定要素は少なくありません。近年の景気は全体的には底堅いものの、直近では正社員就業者数や新規求人数といった雇用関連指標は頭打ちで、一部の数値では前期比マイナスとなっているのが実態です(2019年11月時点)。

かつて新卒の就職環境に大きな打撃を与えたリーマンショック発生当時を振り返ると、2008年9月にリーマン・ブラザーズの経営破綻が起こる直前までは「バブル期並みの売り手市場」と言われるほど新卒の採用市場は好調でした。しかし、リーマンショック直後から世界経済は急変し、株価下落や大幅な円高に見舞われます。その影響で経営環境が悪化する企業が続出し、2009年卒の「内定取り消し」や、「派遣切り」「リストラ」が社会問題化しました。新卒採用市場も急速に冷え込み、2009年卒業予定者で2.14だった新卒求人倍率は2011年卒業予定者においては1.28にまで急落。企業の採用意欲は急速に低下し、採用者数の絞り込みだけでなく、募集自体を取りやめる企業も続出し、多くの就活生が厳しい就職活動を余儀なくされました。景気の動向を正確に予測することは難しいかもしれませんが、日々ニュースをチェックし、志望業界の動向だけではなく、世界経済全体のトレンドを把握しておくことは欠かせないといえるでしょう。

2020年夏に開催される東京オリンピックの影響は?合同イベントやインターンシップの開催数は減少か。

2022卒の就職活動は2020年の夏に開催される東京オリンピック/パラリンピック(2020年7月24日~8月9日/8月25日~9月8日)の影響が懸念されています。2020年の夏は、22卒向けのサマーインターンシップが実施されますが、東京オリンピックの影響で東京ビッグサイト、東京国際フォーラム、幕張メッセ、さいたまスーパーアリーナといった大規模なイベント会場が軒並み使用できなくなります。これらの会場はオリンピック開催期間だけでなく、前後の期間も押さえられており、東京ビックサイトの場合は2020年の6月~9月はほぼ使用できなくなっています。

大規模会場が押さえられている影響で、関東近郊では中小規模の会場の確保もすでに難しくなっています。そのため、2020年の夏は大規模な合同イベントだけでなく、外部会場を使用している企業のインターンシップの実施も難しくなるでしょう。その他にも、オリンピック期間中の交通規制による都内交通アクセスの混乱や、地方から首都圏のインターンに参加する学生の宿泊施設の確保が困難になることも予想されます。さらに、学生視点でもオリンピックのボランティア参加を推奨(単位の付与など)している大学があるため、同時期でのスケジュール調整が難しいという学生も少なくないでしょう。

そのため、22卒向けの夏季インターンシップについては、開催回数・規模の縮小や、首都圏から離れた会場での実施を検討している企業もあります。サマーインターンシップ実施企業は増加傾向にありましたが、2020年については参加のチャンスが少なくなる可能性があるでしょう。とはいえ、一部企業ではサマーインターンシップの規模を縮小した分、秋以降のインターンシップを増やすよう検討している企業もあり、夏のインターンシップ参加できなかったとしても諦めず、リサーチしてみましょう。

理系の就活生は早めに将来について考えよう

理系学生は卒業年次に学業が忙しくなるケースが多いため、就職活動が本格化する前に学業や研究、就活準備などを可能な限り進めておくことが好ましいでしょう。早期に内定を獲得できれば問題ありませんが、学部4年/修士2年の夏以降も就職活動に取り組む必要が出てくると、学業への影響はさらに大きくなってしまいます。

近年の理系就活生は、エントリー社数や説明会参加回数が減少傾向にあります。企業からも「学生の仕事や企業に対する理解が浅くなった」という声が出ており、十分な業界・企業研究ができていない理系学生が少なくないようです。内定率自体は上昇しているので「内定の獲得」はしやすくなっているかもしれませんが、入社してから「就職した職場のイメージにギャップがあった」と感じている新社会人が50.5%にも上るという調査結果(※)もあります。内定獲得は社会に出るというプロセスの一段階目でしかないので、自身が長期的に活躍、成長できる環境を丁寧に見極める必要があります。

現時点で将来の進路に少しでも迷いがあるなら、「なぜ就職するのか」「自分の本当にやりたいことは何なのか」といったことを今のうちからしっかり考えるようにしましょう。就職活動を通じて、自分の本当にやりたいことが見出せる場合もあるので、様々な経験をして判断材料を集めてみてはいかがでしょう。志望業界・職種など、自身の目指すべき方向が見えてくるかもしれません。

※「新社会人の意識調査 2019」マクロミル調べ

2022卒対象のインターンシップを活用しよう

将来について考える際、おすすめなのはインターンシップ(就業体験)です。インターンシップは仕事や会社についての理解を深められるので、自身の適性や本当にやりたいことを見極める絶好の機会といえるでしょう。さらに、インターンシップに参加した学生に対して優先的に採用選考情報を提供したり、中には採用直結型インターンシップとして参加者に対してそのまま新卒採用選考を実施している企業もあり、参加することのメリットは少なくありません。2022卒向けのインターンシップ情報は2020年4月以降から徐々に公開され、エントリー受付も始まるので、興味のあるプログラムを探してみてください。

もし日程の関係でサマーインターンシップの参加が難しかったり、選考で落ちてしまった方でも、秋から冬にかけてインターンシップを実施する企業もあるので、諦めずにチェックしてください。1dayインターンシップなど短期プログラムを実施する企業も増加しており、インターンシップ参加のチャンスは広がっているので、この機会を活用し、就職活動が本格的に始まる時期までに自分の適性や社会に対する理解を深め、準備を進めてみてはいかがでしょう。

2022卒就活展望のまとめ

2021卒の就職活動の状況を踏まえ、2022卒の採用スケジュールやプロセスの見直しを検討する企業は少なくないでしょう。それゆえ、就活生は情報に対する感度を高めつつ、早期から行動計画をしっかり考えることが一層重要となります。就職活動が本格化するまでの時間を活用し、社会についての理解を深めたり、自身のスキルアップに努めたりと、時間を有意義に使ってください。「自分が将来どうなりたいのか」「そのためにいま何をするべきなのか」今から考えてみてください。

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・2021卒就職活スケジュールの展望

※2022年卒業予定者向けのインターンシップ/就職情報サイト『理系ナビ2022』のサイトオープンは2020年4月を予定しています。全学年対象のインターンシップ・イベント情報を提供している理系インターンナビは学年不問で利用可能ですので、興味がある方はチェックしてみてください