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令和7年度 北海道大学企業研究セミナーレポート


2025年10月24日~26日と11月7日~9日の前後半2クールで「北海道大学企業研究セミナー」が開催された。コロナ禍以降、対面実施の就職イベントは縮小傾向にあるものの、本イベントには236社が参画。学生と対面で話したいという意欲的な企業が全国から集まった。北大生にとっても、注目企業が集結して多岐にわたる業界・職種の情報を一度に収集できる希少な機会として評価は高い。多忙な学生生活の合間を縫って「少しだけでも」と足を運ぶ学生の姿が多く見られた。


北海道大学

イベントが始まると、学生は各自気になる企業を見つけてブースに着席。企業担当者による事業内容や採用職種の丁寧な解説に対し、終了後も意欲的に質問を投げかける学生の姿が目立った。学生からは「事業の強み」「採用職種の特徴」「同業他社との違い」などが短時間で深く理解できたとの声が多く聞かれた。

対面の就活イベントは企業にとって、学生と新たな接点を設けて社員の生の声を通じ社風まで伝えられる貴重な機会といえる。実際に学生からは「名前を知らなかった企業でも、話を聞いたら応募意欲が高まった」といった感想が寄せられた。

さらに、対面ならではの体験として「自社製品を直接見てもらえる」メリットも大きい。株式会社OCCは自社製品の海底光ケーブルを展示し、学生が直に触れられる機会を作ることで関心を集めていた。


ゼンショーホールディングス、バンク・オブ・イノベーション

具体的な職務紹介も関心を呼んだ。TOTO株式会社は研究職のキャリア例として、「浴槽の研究」や「床を踏む際の足裏感覚を定量化する研究」などを詳しく紹介。出光興産株式会社は「北海道大学からは継続的に入社してくれる学生が多く、理系を中心に研究内容に興味を持って質問してくれる」と語り、対面ならではの活発なコミュニケーションが各所で行われていた。

対面で話すことで社員の人となりを感じられ、より深い相互理解につながるケースもあるだろう。どの企業もWebサイトでは伝えきれない魅力を、積極的にアピールしていた。


出光興産、ANAウィングス

学生の動きに目を向けると、本イベントの主な対象者は2027年卒予定の学部3年生・修士1年生だが、学部1~2年生など就活年次ではない参加者も多く、早期から意欲的に情報収集している様子が見られた。「学部2年生や進学予定の4年生が多く来てくれて驚いた。学内の大規模企業セミナーなので気軽に参加しやすかったのではないか。その年次から前向きに就活に取り組んでくれるのは嬉しい」(株式会社シグマクシス)といった声も聞かれた。

北海道大学の学生は、北海道出身者が約3割といわれる。近年の就職活動では勤務地(都市部)を重視する傾向が強いが、既に入学時に遠方への引越を経験している北大生は、興味のある仕事であれば勤務地を問わず挑戦する傾向があるという。北大出身の企業担当者からも「勤務地にこだわりすぎず、遠方への就職にも前向きにチャレンジしてくれる人材に期待している」との声が聞かれた。

北海道大学は札幌キャンパスに大半の学部が集まっており、「本イベントに参加すれば北大生と質の高い接点が持てる」という点が企業側に高く評価されている。参加企業の中には「来年以降も必ず参加したい」と、継続的な関係構築の意向を早くも示すケースもあった。

今回のイベントを通じて企業と学生の多くの出会いが生まれ、学生にとって将来の多様な可能性を感じられる機会となったはずだ。


三菱UFJ銀行、学生インタビュー

北海道大学の理系学生に話を聞いたところ、早期から意欲的に情報集している学生が多かった。(写真右)



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