≪サイエンスコミュニケーター≫理系の仕事・職種研究

理系の仕事・職種研究 ≪サイエンスコミュニケーター≫

サイエンスコミュニケーターの具体的な仕事内容や業務のやりがい、新卒採用で求められる応募資格(学部・専攻など)や採用実績のある企業などを解説します。理系が活躍できるサイエンスコミュニケーターの魅力とは。


サイエンスコミュニケーターの仕事内容とは

研究者や技術者といった科学技術の専門家と一般社会の間に立ち、相互理解を促す架け橋的な役割を担うのがサイエンスコミュニケーター(科学コミュニケーター)です。一般の人たちに科学技術の有用性や面白さを伝える「科学広報」や「サイエンスライティング」活動に加え、一般の人たちが科学に対して抱いている疑問や期待を専門家に伝えていくことで双方のコミュニケーションを生み出すことが期待されています。

具体的な活動としては、最新の科学技術の動向調査、科学館や博物館、科学技術イベントでの解説や実演、展示物やイベント、メディアの企画・制作などがメインになりますが、新聞や雑誌への寄稿、テレビやラジオへの出演など、マスメディアで積極的に情報を発信しているサイエンスコミュニケーターも増えています。


新たなイノベーションを生み出すための協働・共創を推進していく役割も

これからのサイエンスコミュニケーターには、専門家と一般の人々とのコミュニケーションを生み出すだけではなく、政府や官公庁、地方自治体、産業界、さらには異なる領域の研究者といった多様なステークホルダーを繋ぎ、科学技術による新たなイノベーションを生み出すための対話・協働・共創を推進していく動きが求められています。

さらには一般社会と向き合う姿勢やコミュニケーションスキルを研究者に伝えたり、一般社会の意見を収集して新たな研究計画に繋げたりといった役割も期待されるなど、今後は活動の幅はさらに広がっていくと考えられています。


サイエンスコミュニケーターの仕事のやりがい

展示物の解説員や実験教室の講師を務めることも多いサイエンスコミュニケーターは、一般の人々に対して科学の面白さや有用性を直接的に伝え、興味を喚起できる仕事です。自らの仕事を通じて一般の人々や子供たちが、科学への好奇心を膨らませていく姿を目の当たりにできることは、この仕事の大きな醍醐味といえるでしょう。

また、研究機関と産業界、政府、官公庁との間に入って新たな研究や技術開発のきっかけ作りに関わるなど、科学技術の発展そのものに貢献できるようなスケールの大きい仕事を手がけられる可能性があることも、サイエンスコミュニケーターの魅力です。


サイエンスコミュニケーターに求められる専攻・スキル・知識

サイエンスコミュニケーターの採用を行っている企業・組織はまだまだ珍しく、求人数も多くないため、研究職や教職員、科学館・博物館職員といった本業を持ちながら趣味や副業で活動をしている人も少なくありません。専攻を問わず理系で培った様々な専門知識を活かせる可能性がある一方で、実際の応募資格に関しては特定領域における相応の専門性を期待されることが多く、修士以上の学歴が求められるケースもあります。

就業に必要な資格などは特にありませんが、国立科学博物などではサイエンスコミュニケーターの養成実践講座が実施されおり、受講しておけば就職活動を有利に進められる可能性があります。実際の仕事においては、研究者と対等に議論をするための専門知識、広範な科学技術の知識をベースとしたプレゼンテーションスキル、最新の科学技術を一般の人々や子供たちに分かりやすく伝えられるコミュニケーションスキルが求められます。


サイエンスコミュニケーターにおいて出身者が多い学部学科

あらゆる専攻の理系学生が活躍しています。応募条件については修士以上を求めるケースがあります。

サイエンスコミュニケーターの採用実績がある企業

国立科学博物館、日本科学未来館、科学技術振興機構、理化学研究所、情報学研究所、極地研究所、自然科学研究機構、海洋研究開発機構、国立天文台、ラ・ヴィレット(パリ)、青少年科学館、新江の島水族館 ほか各地の科学館や研究所など。

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