時間があるのは学生のうちだけ 躊躇する理由が忙しさだけの方はぜひ挑戦を

参加学生大矢 航(おおや・わたる)さん
〈慶應義塾大学大学院 理工学研究科 開放環境科学専攻 修士2年〉日系保険会社 クオンツ部門 内定

期間2013年3月~現在(2014年6月取材時)

インターンシップ先外資系投資銀行 株式調査部

仕事内容リサーチ補助、資料作成など:株式調査部には業界ごとのアナリストがおり、そのサポート役として、企業の製品、技術、IR情報などをリサーチ。リサーチ内容の資料作成。企業の決算説明会に出席し、情報収集をすることも。


Q1.なぜインターンシップに参加しようと思ったのですか?

大学では金融工学を学んでいて、実際の金融取引で使える手法の開発を研究していました。以前からアカデミックな知識を学ぶだけではなく、実務を体験したいと考えていたため、金融業界でのインターンシップに挑戦することにしました。

Q2.仕事の内容を教えてください

株式調査部で週2日インターンしています。データ分析と資料作成がおもな職務で、有価証券報告書をエクセルにおこす作業などを担当しているほか、決算時期に企業の決算説明会に参加することもあります。立場としてはリサーチ補助なのですが、社員とほぼ同じ仕事を担当し、作成した資料は実際の提案の際に使っていただいています。
大手家電メーカーを中心に扱う電気セクター担当のアナリストのもとで働いているため、専門的な領域を扱うことが多いのですが、半導体などの分野についての話が出ても、理系だからこそ苦手意識を持たずに取り組めていますね。

Q3.インターンシップに参加して感じたことは

このインターンシップは単なるアルバイトとは違い、ミスは許されません。また、研究室であれば時間を一日中自由に使うことができますが、ビジネスでは限られた時間でよい成果を出すことが問われています。質、スピードともにビジネスレベルの成果が求められているため、当初は十分な結果が出せないこともありました。しかし、慣れてくるにしたがい、メールの返信や事務的な判断の適切さなど、一般的な業務における対応のスピードが早くなるだけでなく、何度も資料作成を経験することで、求められているポイントが徐々にわかるようになってきました。この点については、長期インターンシップならではの貴重な経験だったと感じています。

Q4.インターンシップの経験で就職活動に役立ったことは

実務に携わった経験により、仕事についての具体的な理解が深まったのはもちろん、短期のインターンシップでは容易に知り得ない会社の深い部分や雰囲気を知ることができ、自分に合った会社だなと判断することができました。就職活動の際に金融実務に携わる社員と面接をさせていただいた時には、今回のインターンシップの話題がきっかけで話が広がりました。
就職活動の時期は研究やインターンシップと重なり、非常に忙しかったのですが、インターンシップで培ったタイムマネージメントの考え方を活かして、何とか乗り切ることができました。

Q5.インターンシップへの参加を考えている学生へのメッセージをお願いします

遊びと研究だけという学生生活は、どうしても単調になりがちですが、インターンシップに挑戦することにより、これまでの日常とは異なる新しい刺激を受けることができ、毎日が充実します。むしろ、仕事・研究・遊びを両立させるという学生にしかできない貴重な体験ができる機会といえます。
もちろん研究で時間がとれない学生のなかには、インターンシップの参加をためらう方もいると思います。しかし、研究で忙しいとはいっても、時間があるのはやはり学生のうちだけ。インターンシップに挑戦できるのは今だけですし、各企業にはインターンシップの人にしか教えない情報もありますから、会社や職務に興味があり、躊躇する理由が研究の忙しさだけという方にはぜひ挑戦してほしいですね。

一週間のスケジュール表

スケジュール

●スケジューリングの工夫などについて一言
インターンシップのスケジュールが週2日間入っているときは、平日3日間と土曜日、学校に行き、研究しています。日曜日は予備日とし、忙しい時期は研究にあてますが、基本的にはリフレッシュするために使っています。研究室からは週40時間を目安に確保し、休日とインターンシップをのぞいた残り4日、それぞれ一日あたり10時間研究しているスケジュールになっています。
就活時に予定が重なった時には、インターンシップの日程をずらして面接を受けました。朝9時からインターンシップが始まるのですが、早起きして7時ごろから喫茶店でエントリーシートを書くこともありました。もともと夜6時すぎはリフレッシュの時間にしていましたが、就活の時期にはその時間を使ってエントリーシートを書いたり、WEBテストを受けたりしていました。