Q1.参加したインターンシップについて教えてください

国内機械メーカーのインターンシップに参加しました。企業から事前に提示されている多数の研究テーマから希望のものを選択し、該当の研究所でリサーチを行う2週間の実践型プログラムです。期間中は受け入れ部門のエンジニアの方に、リサーチのフォローをしていただきました。最終的には研究所の社員の方々の前でリサーチ結果についてプレゼンテーションを行い、鋭い質問やフィードバックをいただきました。

期間中は企業の社員寮に滞在しましたが、他のテーマでインターンシップに参加している学生も数十名おり、毎日情報交換できて心強かったですね。また、社員の方々もとても気さくで、週末はドライブやバーベキューに誘っていただきました。研究の一端を経験するだけではなく、会社の風土も感じることができて良かったです。

Q2.参加してどんなことを感じましたか?

研究のプロセスについては、企業も大学もそれほど大きな違いはないという印象でしたが、情報管理体制とコスト意識に関しては、やはり企業は徹底されていると感じました。

全国から様々な専攻の学生が集まっていたことも、良い刺激となりました。彼らとはその後も交流が続いています。自分の研究分野以外のことを知る機会はあまりないため、リサーチ結果のプレゼンテーションでは色々な話を聞けて面白かったですね。理系学生は自分の研究をしっかり行うことが大切だということを、改めて実感しました。

Q3.インターンシップに参加して就職活動に役立ったことは?

社員の方々が働く現場に配属されることで、将来メーカーの研究職として働くイメージがわきました。そして進路を決断するための、大きなヒントを得ることができました。

私がインターンシップで選択したテーマはエンジンに関する研究だったのですが、実際に携わってみると自分が本気で取り組みたいものとは少し異なるのかもしれないという気持ちが芽生えてきたのです。その後、本格的に大学で研究を行う中でその気持ちはどんどん大きくなりました。そして結果的に就職活動ではインターンシップに参加した企業ではなく、別の素材メーカーを志望して進めています。

こうした選択が早めにできたのは、インターンシップに参加したからこそだと思います。本格的な就職活動が始まる前の段階で「ここではない」と気が付き、方向性を修正できたことは大きな収穫でした。

Q4.これからインターンシップや就職活動を控えている理系学生にアドバイスをお願いします

自分が興味のある分野のインターンシップには、ぜひ積極的に参加してください。外から見ているだけでは分からない情報が得られますし、社員の方々と接することで自分の将来の働き方を具体的にイメージすることもできるでしょう。

また、理系学生は研究活動と就職活動のスケジュール調整が大きな課題となります。特に企業と共同研究を行っている人は、就職活動が本格スタートする3月に研究のピークが重なることもあるため、注意が必要です。

私自身、この3月に共同研究の年度末報告、大学への論文の中間報告、そして就職活動が重なり、時間の調整にかなり苦労しました。もしインターンシップに参加していなければ、就職活動であまり良いスタートを切れなかったのではないでしょうか。そこで比較的ゆとりがある時期にインターンシップに参加して、就職活動や仕事に対する情報を早めに得ておくことが大切だと思います。

●プロフィール

所 属東京大学大学院 工学系研究科 機械工学専攻 修士2年
参加したインターンシップ機械メーカー