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2021卒の就職活動はいつから始まる?就活スケジュール変更は?
2021年の春に卒業を予定(2019年4月時点で学部3年生、修士1年の学生)している理系学生の就職活動スケジュール、就活解禁はどのような日程になるのでしょうか。代表的な就活スケジュールは経団連から例年発表されているものの、それらの日程・スケジュールに当てはまらない採用活動を行う企業が増加傾向にあり、「いつから、何をすればいいのか」、イメージしにくいという理系学生も多いかもしれません。『2021卒 卒就職活動スケジュールの展望』では、2021卒就活スケジュールの見通しや、就職活動に臨むにあたって注意すべき点を解説します。
2021年卒の就活スケジュールは前年から変更なし。採用情報公開は2020年3月、面接は6月から
経団連(日本経済団体連合会)の中西宏明会長は2018年9月の定例記者会見で、「現在の就職活動の指針を2021年春入社の学生から取りやめる」と発表し、企業・大学・政府など各方面で様々な議論が持ち上がりました。しかしながら、就職活動における指針(スケジュールの目安)が撤廃されることで大きな混乱を招くことが予想され、結果的に、政府による関係省庁連絡会議の会合において、「現行の日程が定着しつつあり、維持が望ましい」との意見が大勢を占め、2021年卒の就活日程については現行の2020年卒のスケジュールが維持される見通しとなりました。
現行(2020卒)の就活スケジュールを改めて確認すると、まず学部3年/修士1年の夏から冬にわたってインターンシップが実施されています。就職活動が本格的にスタートするのは翌年3月1日からで、この日から企業の採用情報が一斉に公開され、就活生は企業へのエントリーや説明会参加といった活動を本格化させます。そして6月1日から企業の採用選考(面接や筆記試験など)がスタートし、選考通過者に対して随時内々定が出される、というのが現在の就職活動スケジュールの大まかな流れとなっています。
就活スケジュール、選考プロセスは企業ごとに多様化が進む
前述の就職活動スケジュールはあくまで目安であって、実際はこのスケジュールに沿った採用活動を行う企業ばかりではありません。学部3年/修士1年の秋以降から採用直結型のインターンシップを行う企業、翌年の6月以前に面接を実施して早々に内々定を出している企業など、過去の動きをみると公表されている就活スケジュールに当てはまらない採用活動を行っている企業は少なくありません。特に近年は、ルール撤廃を見越して企業の採用活動が一段と早期化しており、2020卒の就職活動では5月末までに55%(19卒同期比8.6%増)の学生が内定を受諾しているという調査結果が出ています(※)。2021卒の就活については、企業ではなく政府主体のスケジュール目安となったため、企業の採用活動はさらに早期化すると思われます。ですから、3月1日の就活解禁日になってから動き出すのではなく、早期からしっかり情報収集に取り組むことが重要といえるでしょう。
※理系ナビ調べ
≪2021卒 就活スケジュールの見通し≫
2019年4月~6月 | インターンシップに関する情報収集。2021卒向け就職・インターンシップ情報サイトがオープン。就活関連イベント・セミナーも開催される。 |
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2019年7月~9月 | サマーインターンシップ実施。 |
2019年10月以降 | 秋から冬にかけてのインターンシップ実施。一部企業で採用情報の公開や選考が始まる。 |
2020年3月~5月 | 採用情報の公開スタート。エントリーシート受付や会社説明会の開催も本格化。合同説明会、就活イベントの開催も増加。一部企業で面接や内々定出しが始まる。 |
2020年6月 | 採用選考(面接や筆記試験など)の開始。随時内々定出し。学科/学校推薦の応募受付もこの時期(5~7月頃)に実施する大学が多い。 |
※昨年度の動きを参考にした2021年卒向け就職活動スケジュールの大まかな見通しです。企業の選考活動時期は多様化しているので、志望企業・業界の選考スケジュールは個別にチェックしましょう。
2021卒就活時の景気動向は?再び就職氷河期が起こる可能性はある?
現時点では、2021卒を対象とした就職活動を取り巻く経済環境は堅調で、新卒求人倍率も1.83(リーマンショック以降2番目に高い数値)と高い水準を維持しています。一方で、今後の国内景気動向については、オリンピック後の景気落ち込みや消費税増税の影響を懸念する声もあり、世界経済を見ても米中貿易摩擦やブレグジット(イギリスのEU離脱問題)、など不確定要素は少なくありません。かつて新卒の就職環境に大きな影響を与えたリーマンショック発生当時を振り返ると、2008年9月にリーマンブラザースの経営破綻が起こった直後から世界経済は急変し、株価下落や大幅な円高に見舞われました。その影響で経営環境が悪化する企業が続出し、2009年卒の「内定取り消し」や、「派遣切り」「リストラ」が社会問題にもなりました。新卒採用市場も冷え込み2009年卒業予定者で2.14だった新卒求人倍率は2011年卒業予定者においては1.28にまで急落しました。景気の動向を正確に予測することは難しいかもしれませんが、日々ニュースをチェックし、自身の志望業界の動向や経済全体の動きを把握しておくことは欠かせないといえるでしょう。
理系の就活生は早めに将来について考えよう
理系学生は卒業年次に学業が多忙になるケースが多いため、就職活動が本格化する前に学業や研究、就活準備などをできるだけ進めておくことが好ましいでしょう。早期に内定を獲得できれば問題ありませんが、学部4年/修士2年の夏以降も就職活動に取り組む必要が出てくると、学業への影響はさらに大きくなってしまいます。
近年の理系就活生の動きを見てみると、エントリー社数や説明会参加回数が減少傾向にあります。企業からも「学生の仕事や企業に対する理解が浅くなった」という声が出ており、十分な業界・企業研究ができていない理系学生が少なくないようです。内定率自体は上昇しているので「内定の獲得」自体はしやすくなっているかもしれませんが、入社してから「就職した職場のイメージにギャップがあった」と感じている新社会人が増加しているという調査結果(※)もあります。内定の獲得は社会に出るというプロセスの一段階目でしかないので、自身が長期的に活躍、成長できる環境を丁寧に見極める必要があります。
現時点で将来の進路に少しでも迷いがあるなら、「なぜ就職するのか」「自分の本当にやりたいことは何なのか」といったことを今のうちからしっかり考えるようにしましょう。就職活動を通じて、自分の本当にやりたいことが見出せる場合もあるので、様々な経験をして判断材料を集めてみてはいかがでしょう。志望業界・職種など、自身の目指すべき方向が見えてくるかもしれません。
※「新社会人の意識調査 2017」マクロミル調べ
2021卒対象のインターンシップを活用しよう
将来について考える際、おすすめなのはインターンシップ(就業体験)です。インターンシップは仕事や会社についての理解を深められるので、自身の適性や本当にやりたいことを見極める絶好の機会といえるでしょう。さらに、インターンシップに参加した学生に対して優先的に採用選考情報などを提供している企業もあり、参加することのメリットは少なくありません。2021卒向けのインターンシップ情報は2019年4月以降から徐々に公開され、エントリー受付も始まります。サマーインターンシップは実施企業が多いので、興味のあるプログラムを探してみてください。もし日程の関係でサマーインターンシップの参加が難しかったり、選考で落ちてしまった方でも、秋から冬にかけてインターンシップを実施する企業もあるので、諦めずにチェックしてください。2019卒の就職活動からは、経団連が「インターンシップ(就業体験)は5日間以上」とする日数規定を削除したため、1dayインターンシップなど短期プログラムを実施する企業も増加しています。インターンシップ参加のチャンスは広がっているので、この機会を活用し、就職活動が本格的に始まるまでに自分の適性や社会に対する理解を深め、準備を進めてみてはいかがでしょう。
2021卒就活展望のまとめ
2020卒の就職活動の状況を踏まえ、2021卒の採用スケジュールやプロセスの見直しを検討する企業は少なくないでしょう。それゆえ、就活生は情報に対する感度を高めつつ、早期から行動計画をしっかり考えることが一層重要となります。就職活動が本格化するまでの時間を活用し、社会についての理解を深めたり、自身のスキルアップに努めたりと、時間を有意義に使ってください。「自分が将来どうなりたいのか」「そのためにいま何をするべきなのか」いまから考えてみてください。
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