Q1.参加したインターンシップについて教えてください

私は日本の技術を世界で展開する仕事がしたいと考え、メーカーやIT企業も検討した末にコンサルティングファームに着目し、アーサー・D・リトル(以下、ADL)のウインターインターンシップに参加しました。取り組んだのは実在するメーカーの新規事業立案で、数名のチームを組んでディスカッションを行い、2つの新規事業計画をプレゼンしました。協力的なメンバーにも恵まれ、チーム全員で新しい価値を創造するという経験をできたのは収穫でした。

Q2.参加してどんなことを感じましたか?

良かったのは、自分の強みと弱みの両方が見えた点です。私は大学の研究室でも、俯瞰的な視野をもって研究計画を自ら立案し、ディスカッションする経験を積んでいましたから、インターンシップの場でも人の意見を踏まえながら自分の意見を発言でき、議論を客観的に見るという点は得意だと改めて気付きました。一方、自分が議論の中心になって物事を進めていくようなリーダーシップに関してはまだ足りないと感じましたが、1人で問題を解決するのではなく、チームで考えて課題解決することの面白さを知れたのは良い体験でした。

さらに自分にとって大きな発見になったのは、コンサルティングという仕事は課題を因数分解するだけの仕事ではないということ。以前は、「コンサルティングはロジックを組んで辻褄が合っていればいい」と考えていました。しかし実際は、その提案によって世の中が良くなるかどうか、そもそもクライアントの企業理念に合致しているかどうかといった点が重要だったのです。インターンでは、因数分解では見えないものを追求する、物事の本質に迫るADLの社員の姿勢に大いに感銘を受けました。とても難しい仕事だと感じましたが、日本の技術を世界で発信する人間になるためには、こうした本質を突き詰める姿勢が大切なのだと気付かされました。

Q3.インターンシップに参加して就職活動に役立ったことは?

「自分が本当にやりたいことを実現できるのは、コンサルティングファームではないか」という考えからADLのインターンシップに参加しましたが、正直なところ、参加前はコンサルタントの仕事について正確に理解できていたわけではありません。ですが、インターンシップを通じて入社前にイメージを掴むことができ、自分の進路に確信を持つことができました。

また、研究室では、コミュニケーションを取る相手は基本的に自分のことを知っている人ばかりですが、外の世界に出ると価値観がまったく異なる人たちがいます。その中で自分に一体何ができるのか、客観的に考えることは就職活動でも役立ったと思います。

Q4.これからインターンシップや就職活動を控えている理系学生にアドバイスをお願いします

まずは自分が何をやりたいのかを考え抜くことが大切だと思います。そのためには、いろいろな人に話を聞いたり、インターンやセミナーなどに参加して将来をイメージすることが必要です。私も家族や友人に相談したことで、コンサルタントという職業を知ることができました。私の周りを見ると、やりたいことを見つけられていない人も多くいますが、就職活動という機会を活かして見つけてほしいですね。特に理系は専門分野がはっきりしているので進路を限定しがちですが、自分がやりたいことを実現するにはどんな選択肢があるかを知る機会を増やすと良いのではないでしょうか。

●プロフィール

所 属慶應義塾大学大学院 理工学研究科 総合デザイン工学専攻 修士2年
参加したインターンシップアーサー・D・リトル・ジャパン株式会社、ITベンチャー