Q1.就職活動はどんなスケジュールでしたか

学部3年の夏に警察庁の5日間のインターンシップに参加したのが最初です。その後、大学の公務員対策セミナーでの情報収集や、参考書などで公務員試験の対策をはじめました。後期の授業が始まったタイミングで一旦中断して授業に専念し、春休みから一次試験の勉強を真剣に再開しました。実は国家公務員の試験は受かると思っていなかったので、のんびり構えてしまって一次試験の対策しかしてなかったんです。一次合格が決まった時には二次試験まで3週間しかなく、慌てて勉強する形で大変でしたが、同じ研究室の公務員志望の友人と一緒に、励ましあいながら勉強していました。最終的には無事、警察庁から内定をいただき、就職活動を終えることができました。

Q2.志望業界と内定先は

大学で地震被害の研究をしていたので、安全・安心に関わる仕事であることと、専攻の建築を軸に幅広い分野に関われる仕事であることの2点にこだわって就活をしていました。建築学科だと、建築事務所やディベロッパ、ハウスメーカーに就職する学生が多いのですが、私は「生活を豊かにする建物を建てる」という建築の仕事よりも、「人を守る」仕事がしたいと考えていたんです。

官庁訪問では消防庁などにも行きましたが、同じ「人を守る」という仕事の切り口であっても、消防庁は「大規模災害発生時等で目の前にある人命を救う」ための仕事、警察庁は「犯罪、事故、災害等の脅威に対峙し、安全・安心に暮らせる社会をつくる」ための仕事であると理解しており、仕事の内容を細かく見た際に、人命救助というピンポイントなミッションと社会全体に照準を合わせた幅広いミッションと「どちらに自分が深く関わりたいか?」という点について考えさせられました。

警察庁はサイバー対策だけでなく、全国警察を結ぶ独自の情報通信網を守るための災害対策や交通管理など、理系分野においても幅広い活躍の舞台があり、社会のあらゆる側面から「人を守る」という働き方に大変興味をそそられました。また、警察というと堅い印象を持っていたのですが、インターンで実際に働いている方にお会いすると、とても気さくな方が多く、クールな職場の雰囲気も自分に合っていたところが、警察庁を志望した決め手になりました。

Q3.就職活動で一番苦労したことは

私の周囲は院進学が当たり前の環境で、周囲に公務員就職はもとより就職活動の相談をできる先輩が少なかったため情報収集に苦労しました。具体的には2次試験の専門科目試験で製図の試験があるのですが、過去問題はあっても解答がないので自分の解答が正しいか分からず、自分で調べなければならないという点が大変でした。一級建築士である研究室の先生にアドバイスを頂きながら勉強を進められたことは幸運だったと思います。

Q4.これから就職活動に臨む理系学生に向けてのメッセージ・アドバイスを

出来る限りインターンシップや説明会に積極的に参加することをお勧めします。実際に働いている方からお話を聞くことで仕事の理解が深まりますし、職場の雰囲気を肌身で感じることができるので、貴重な経験が得られるはずです。

理系で学部卒就職を目指す学生は少数派で、特に専攻外の分野での就職となると、孤独感や引け目を感じてしまいがちですが、周囲の目を気にせず、あえてオープンにすることで協力が得られることもあると思います。一緒に頑張っている仲間を見つけることができれば、情報も得やすくなりますし、何より自分のモチベーションが高まると思います。

●就活プロフィール

就活開始2013年6月
就活終了2014年10月
志望業界公務員(国家公務員、地方上級)
エントリー4社
面接4社
内定社数2社
内定先警察庁