データで見る理系の就職活動【2023卒】
オンライン就活の浸透で早期化が加速する23卒理系学生の動向

理系の先輩たちは就職活動をどのように進め、どんな業界・会社を選んだのか…。理系ナビ編集部は、2023年卒業予定で就職活動に臨んだ理系の先輩たちの各種データを集計しました。先輩たちがどんな就職活動をしたのか、データから読み解いてみましょう。


Q.1 エントリーシート提出数

理系就活生のエントリーシート平均提出社数は14.8社となっています。推薦応募を中心に応募企業を厳選して活動している理系も少なくありませんが、自由応募をメインに活動している方やいわゆる文系職種を志望している方のエントリー数は比較的多めの傾向があります。

エントリーシート提出数

Q.2 内定先企業への応募方法

かつては推薦を利用して就職することが多かった理系学生ですが、近年では自由応募による就職活動が多数派となっています。金融やコンサルといった専攻分野とは直結しない業界だけでなく、メーカーやITなどでも自由応募を中心に活動している理系学生は珍しくありません。

内定先企業への応募方法

Q.3 内定承諾時期

23卒はオンライン就活の浸透もあって採用活動の早期化が加速。4月時点で半数超が内定承諾しています。

内定承諾時期

Q.4 〈業界別〉内定承諾企業

内定承諾業界については約4割をメーカーが占め、金融、ITがそれに続きます。さらに内訳の業態を見るとメーカーでは総合電機、自動車、素材などの技術系職種、金融系では数理能力を活かせるアクチュアリーなど金融専門職。IT業界ではSIerのSEへの内定が多く見られます。その他はコンサル、官公庁などがありました。

〈業界別〉内定承諾企業

Q.5 内定承諾の決め手

内定承諾の最終的な決め手で1位となったのは「仕事内容」。コロナ前と比較すると「給与/待遇」や「会社の安定性」といった項目がランクアップし、就活生の企業選びにも影響を及ぼしています。また、「勤務地」や「福利厚生」といった働き方やライフスタイルにかかわる項目への関心も高まっています。

内定承諾の決め手

Q.6 志望業界・職種を絞った時期ときっかけ

インターンシップなどを通じて年末までに約6割の就活生が志望業界・職種を絞り込んでいます。近年はウインターインターンシップの実施が増加傾向にあるので、「まだ志望業界・職種の決め手に欠ける」という方は活用してみてください。

志望業界・職種を絞った時期ときっかけ

Q.7 専攻・研究分野を活かせる仕事を希望したか

64.5%の理系学生が自身の専攻や研究分野を活かせる業界・職種を志望しています。「いいえ」と答えた学生からは、「専攻にとらわれず幅広いキャリアを選択したかった」「自分の専門知識をビジネスで活かすのは難しい」といった声が聞かれました。

専攻・研究分野を活かせる仕事を希望したか

はい
●自分の専攻が好きで、その知識をビジネスに活かしたかった。(機械系)
●就職後の業務内容がイメージしやすいため。(情報系)
●大学院まで進み、専門知識を深めていたから。(経営工学系)

いいえ
●研究職は自分に向いていないと思ったから。(化学系)
●ビジネスに興味があり、研究職ではなく総合職で働きたかった。(機械系)
●直接的に自分の研究に関係する業界が少ないから。(物理系)

Q.8 オンライン就活でメリット/良かったと感じた点

就活のオンライン化で、1日に複数のセミナー/選考の参加や、遠方企業の受験がしやすくなったという点に先輩就活生は大きなメリットを感じています。

オンライン就活でメリット/良かったと感じた点

Q.9 オンライン就活でデメリット/難しいと感じた点

先輩たちはオンライン上でのコミュニケーションの難しさを感じており、企業を選ぶ際に重要な指標の一つである、「社員の人柄」や「会社風土」の理解が難しくなっている点は注意が必要です。

オンライン就活でデメリット/難しいと感じた点

Q.10 インターンシップ参加率

以前はインターンシップといえば夏の開催が主でしたが、近年は秋から冬にかけても多数のインターンシップが実施されています。さらに、オンラインインターンシップの開催も増加したことで、学生のインターンシップ参加社数は増加(7.4社→8.8社)傾向にあります。

インターンシップ参加率

Q.11 就職活動時の主な情報源

就職情報サイトで気になる企業をチェックし、各社のホームページでより詳しくリサーチする就活生が多いようです。その他では、OG・OBや大学の先輩・友人からの情報も貴重な情報源となっています。

就職活動時の主な情報源

【調査対象】理系ナビ2023会員、【調査期間】2022年6月、【調査方法】インターネット調査(回答フォームへの記入)、【回答数】206名(設問によっては「未回答」など省いている場合あり)