2022卒の就職活動ではオンライン就活の浸透によって、スケジュールや行動パターンに変化が表れています。理系ナビでは、22卒の理系就活生に就活アンケートを実施。志望業界、就活スケジュール、内定獲得時期、エントリーシート平均提出数、インターンシップ参加率、学校推薦活用比率など、就活動向を調査しました。22卒の先輩たちがどのように就職活動に臨んだのか、データから読み解きます。
Q.1 エントリーシート提出数
理系就活生のエントリーシート平均提出社数は13.7社となっています。推薦応募を中心に応募企業を厳選して活動している理系も少なくありませんが、自由応募をメインに活動している方やいわゆる文系職種を志望している方のエントリー数は比較的多めの傾向があります。
Q.2 内定先企業への応募方法
かつては推薦を利用して就職することが多かった理系学生ですが、近年では自由応募による就職活動が多数派となっています。金融やコンサルといった専攻分野とは直結しない業界だけでなく、メーカーやITなどでも自由応募を中心に活動している理系学生は珍しくありません。
Q.3 内定承諾時期
21卒就活はコロナ禍の混乱で4~5月の内定率は大きく足踏みしましたが、22卒はオンライン就活の浸透もあってスケジュールの早期化が加速。4月時点で約半数が内定承諾しています。
Q.4 〈業界別〉内定承諾企業
内定承諾業界については54%をメーカーが占め、IT、金融がそれに続きます。さらに内訳の業態を見るとメーカーでは総合電機、自動車、素材などの技術系職種、IT業界ではSIerのSE。金融系では数理能力を活かせるアクチュアリーなど金融専門職への内定が多く見られます。その他はコンサル、電力関連などがありました。
Q.5 内定承諾の決め手
内定承諾の最終的な決め手で1位となったのは「仕事内容」。コロナ前と比較すると「会社の安定性」や「働き方の柔軟性」といった項目が順位アップし、就活生の企業選びにも影響を及ぼしています。また、昨年は順位を大きく落とした「社員の魅力」は、各社オンラインでの社員交流などを強化した影響か、順位を戻しています(9位→2位)。
Q.6 志望業界・職種を絞った時期ときっかけ
インターンシップなどを通じて年末までに約半数の就活生が志望業界・職種を絞り込んでいます。近年はウインターインターンシップの実施が増加傾向にあるので、「まだ志望業界・職種の決め手に欠ける」という方は活用してみてはいかがでしょうか。
Q.7 専攻・研究分野を活かせる仕事を希望したか
約7割の理系学生が自身の専攻や研究分野を活かせる業界・職種を志望しています。「いいえ」と答えた学生からは、「専攻にとらわれず幅広いキャリアを選択したかった」「自分の専門知識をビジネスで活かすのは難しい」といった声が聞かれました。
はい
●自分の専攻分野に興味があり、このまま突き詰めていきたかった。(機械系)
●自らの専攻を基盤として社会に貢献したかった。(情報系)
●業務へのキャッチアップがしやすく、モチベーションも上がるから。(経営 工学系)
いいえ
●自分に研究は向いていないと感じたから。(化学系)
●直接の専門分野の職種が少なかったため。(物理系)
Q.8 オンライン就活でメリット/良かったと感じた点
就活のオンライン化で、1日に複数のセミナー/選考の参加や、遠方企業の受験がしやすくなったという点に先輩就活生は大きなメリットを感じています。
Q.9 オンライン就活でデメリット/難しいと感じた点
先輩たちはオンライン上でのコミュニケーションの難しさを感じており、企業を選ぶ際に重要な指標の一つである、「社員の人柄」や「会社風土」の理解が難しくなっている点は注意が必要です。
Q.10 インターンシップ参加率
以前はインターンシップといえば夏の開催が主でしたが、近年は秋から冬にかけても多数のインターンシップが実施されています。さらに、オンラインインターンシップの開催も増加したことで、学生のインターンシップ参加回数は増加(6.2社→7.4社)しました。
Q.11 就職活動時の主な情報源
就職情報サイトで気になる企業をチェックし、各社のホームページでより詳しくリサーチする就活生が多いようです。その他では、大学での友人や先輩からの情報も貴重な情報源となっています。
【調査対象】理系ナビ2022会員、【調査期間】2021年6月、【調査方法】インターネット調査(回答フォームへの記入)、【回答数】203名(設問によっては「未回答」など省いている場合あり)
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