データで見る理系の就職活動【2021卒】
コロナウイルスの21卒就活への影響

コロナウイルスの感染拡大により、理系学生の就活にも大きな影響が出た2021年卒業予定者の就職活動。新型コロナウイルスの影響で、選考プロセスの大幅な変更や、内定時期の遅れなど様々な混乱が生じました。本企画では、21卒の理系就活生に対して、志望業界、就活スケジュール、内定獲得時期、エントリーシート平均提出数、インターンシップ参加率、学校推薦活用比率など、アンケートを実施し、就活動向を調査しました。21卒の先輩たちがどのような就職活動をしたのか、データから読み解きます。


Q.1 就職活動に新型コロナウイルスの影響はあったか

コロナウイルスの感染拡大により大きな混乱が生じた21卒の就職活動。85.7%の理系就活生が「就活に影響が出た」と答える一方で、早期に就活を終えていた14.3%は「影響なし」と回答しました。

就職活動に新型コロナウイルスの影響はあったか

はい
●説明会やインターンが中止になった。
●3月以降は面接がすべてオンラインになり、戸惑った。
●選考が延期され、結果的に就活が長引いてしまった。
●リアルな活動がなくなり、人とのつながりが意識できなかった。

いいえ
●早期に内定が出ていたので影響はなかった。

Q.2 オンラインで参加したことがある就活プロセス

コロナウイルスの感染予防対策で、多くの企業が採用選考・イベントをオフラインからオンラインに切り替えました。8割を超える理系就活生がオンラインによる面接/会社説明会に参加しました。

オンラインで参加したことがある就活プロセス

Q.3 内定先企業への応募方法

かつては推薦を利用して就職することが多かった理系学生ですが、近年では自由応募による就職活動が多数派となっています。金融やコンサルといった専攻分野とは直結しない業界だけでなく、メーカーやITなどでも自由応募を中心に活動している理系学生は珍しくありません。

内定先企業への応募方法

Q.4 エントリーシート提出数

理系は厳選してエントリーしている学生が多く、平均提出社数は16.6社となっています。推薦応募を中心に応募企業を厳選して活動している理系も少なくありませんが、自由応募をメインに活動している方やいわゆる文系職種を志望している方のエントリー数は比較的多めの傾向があります。

エントリーシート提出数

Q.5 専攻・研究分野を活かせる仕事を希望したか

大学での専門性を活かせる仕事に就きたいと考えていた理系学生は70.7%。「いいえ」と答えた方は「専攻にとらわれず幅広い仕事を見てみたかった」「自分の専攻を仕事にするのは難しいと思ったから」といった意見がみられました。

専攻・研究分野を活かせる仕事を希望したか

はい
●自身の研究内容が今後も成長しそうだったので。(化学系)
●自分の知見を活かせる仕事をしたかった。(機械系)
●専門性を活かした方が社会に貢献できると考えたので。(情報系)

いいえ
●自分の本当にやりたいことや将来性を優先したかったから。(機械系)
●あまり研究は向いていないと感じた。(化学系)
●専門性を活かせる仕事が少なそうだったので。(物理系)

Q.6 インターンシップ参加率

以前はインターンシップといえば夏の開催が主でしたが、近年は秋から冬にかけても多数のインターンシップが実施されています。さらに、オンラインインターンシップの開催も増加したことで、学生のインターンシップ参加は増加傾向にあります。

インターンシップ参加率

Q.7 志望業界・職種を絞った時期ときっかけ

インターンシップなどを通じて年末までに約半数の就活生が志望業界・職種を絞り込んでいます。近年はウインターインターンシップの実施が増加傾向にあるので、「まだ志望業界・職種の決め手に欠ける」という方は活用してみてはいかがでしょうか。

志望業界・職種を絞った時期ときっかけ

Q.8 内定承諾時期

21卒の内定承諾率は3月~4月にかけて20卒を上回るペースだったものの、コロナの影響で選考が混乱し、6月時点では5.7ポイントダウンに。今年は想定外のトラブルがあったものの、就職活動早期化の傾向は年々加速しており、22卒でもこの傾向は続くでしょう。

内定承諾時期

Q.9 〈業界別〉内定承諾企業

内定承諾業界については46%をメーカーが占め、IT、金融がそれに続きます。さらに内訳の業態を見るとメーカーでは総合電機、自動車、素材などの技術系職種、IT業界ではSIerのSE。金融系では数理能力を活かせるアクチュアリーなど金融専門職への内定が多く見られます。その他はコンサル、官公庁などがありました。

〈業界別〉内定承諾企業

Q.10 内定承諾の決め手

内定承諾の最終的な決め手で1位となったのは「仕事内容」。「この仕事をしたい!」という想いが決め手となった方が多いようです。就活オンライン化の影響で昨年は2位だった「社員の魅力」が9位にダウンした一方で、「会社の安定性」や「働き方の柔軟性」といった項目がアップするなど、コロナウイルス感染拡大の影響が就活生の企業選びにも影響を及ぼしています。

内定承諾の決め手

【調査対象】理系ナビ2021会員、【調査期間】2020年7月~8月、【調査方法】インターネット調査(回答フォームへの記入)、【回答数】200名(設問によっては「未回答」など省いている場合あり)