2020卒の就職活動はいつから始めるべき?スケジュール変更はある?
この春、学部3年生/修士1年生(2018年4月時点)となった2020年卒業予定の理系学生の就職活動スケジュール、就活解禁はどのような日程になるのでしょうか。代表的な就活スケジュールは経団連から例年発表されているものの、それらの日程に当てはまらない採用活動を行う企業が増加傾向にあり、「いつから、何をすればいいのか」、イメージしにくいという2020卒理系学生も多いかと思います。『2020卒就職活動スケジュールの展望』では、2020年卒業予定者の就活スケジュールの見通しや、就職活動に臨むにあたって注意すべき点をお伝えします。
2020卒の就活スケジュールは前年から変更なし。採用情報公開は3月、面接は6月から
経団連(日本経済団体連合会)の榊原定征会長は2018年3月の記者会見で「2020卒の就職活スケジュールは前年から変更なし」と発表しました。2021年卒以降の就職活動スケジュールの見直しにも言及しましたが、2020年卒に関しては前年と同様の就活日程になる見込みです。その2019卒の就活スケジュールを改めて確認すると、まず学部3年/修士1年の夏から冬にわたってインターンシップが実施されています。就職活動が本格的にスタートするのは翌年3月1日からで、この日から企業の採用情報が一斉に公開されるので、就活生はエントリーを行い、説明会への参加など活動を本格化させます。そして6月1日から企業の採用選考(面接や筆記試験など)がスタートし、選考通過者に対して随時内々定が出される、というのが就職活動の大まかな流れになります。
就活スケジュール、選考プロセスは企業ごとに多様化が進む
前述の就職活動スケジュールは経団連が提唱する「採用選考に関する指針」に賛同する企業についての話で、実際はこのスケジュールに沿った採用活動を行う企業ばかりではありません。学部3年/修士1年の秋以降から採用直結型のインターンシップを行う企業、翌年の6月以前に面接を実施して早々に内々定を出している企業など、過去の動きをみると公表されている就活スケジュールに当てはまらない採用活動を行っている企業は少なくありません。特に近年は、企業の採用活動が一段と早期化しており、2018卒の採用活動では「約7割の企業が5月末までに何らかの形で内々定を出した」という調査結果もあります(※)。ですから、2020卒の就活生は3月1日の就活解禁日になってから腰を上げるのではなく、早期からしっかり情報収集に取り組むことが重要となるでしょう。
※「2018年卒・新卒採用に関する企業調査」株式会社ディスコ調べ
≪2020卒 就活スケジュールの見通し≫
2018年4月~6月 | インターンシップに関する情報収集。2020卒向け就職・インターンシップ情報サイトがオープン。就活関連イベント・セミナーも開催される。 |
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2018年7月~9月 | サマーインターンシップ実施。 |
2018年10月以降 | 秋から冬にかけてのインターンシップ実施。一部企業で採用情報の公開や選考が始まる。 |
2019年3月~5月 | 採用情報の公開開始。エントリーシート受付や会社説明会の開催も本格化。合同説明会、就活イベントの開催も増加。一部企業で面接や内々定出しが始まる。 |
2019年6月 | 採用選考(面接や筆記試験など)の開始。随時内々定出し。 |
※昨年度の動きを参考にした2020年卒向け就職活動スケジュールの大まかな見通しです。企業の選考活動時期は多様化しているので、志望企業・業界の選考スケジュールは個別にチェックしましょう。
理系の就活生は早めに将来について考えよう
理系学生は卒業年次に学業が多忙になるケースが多いため、就職活動が本格化する前に学業や研究、就活準備などをできるだけ進めておくことが好ましいでしょう。早期に内定を獲得できれば問題ありませんが、学部4年/修士2年の夏以降も就職活動に取り組む必要が出てくると、学業への影響はさらに大きくなってしまいます。
近年の理系就活生の動きを見てみると、エントリー社数や説明会参加回数が減少傾向にあります。企業からも「学生の仕事や企業に対する理解が浅くなった」という声が出ており、十分な業界・企業研究ができていない理系学生が少なくないようです。内定率自体は上昇しているので「内定の獲得」自体はしやすくなっているかもしれませんが、入社してから「就職した職場のイメージにギャップがあった」と感じている新社会人が増加しているという調査結果(※)もあります。内定の獲得は社会人としてのキャリアにおける一つのプロセスでしかないので、長期的に活躍、成長できる環境を丁寧に見極める必要があります。
現時点で将来の進路に少しでも迷いがあるなら、「なぜ就職するのか」「自分の本当にやりたいことは何なのか」といったことを今のうちからしっかり考えるようにしましょう。就職活動を通じて、自分の本当にやりたいことが見出せる場合もあるので、様々な経験をして判断材料を集めてみてはいかがでしょう。志望業界・職種など、自身の目指すべき方向が見えてくるかもしれません。
※「新社会人の意識調査 2017」マクロミル調べ
インターンシップの重要性が高まる2020卒の就職活動
将来について考える際、おすすめなのはインターンシップ(就業体験)です。インターンシップは仕事や会社についての理解を深められるので、自身の適性や本当にやりたいことを見極める絶好の機会といえるでしょう。2018年4月以降、2020卒向けのインターンシップ情報が徐々に公開され、エントリー受付も始まっていきます。サマーインターンシップは実施企業が多いので、興味のあるプログラムを探してみてはいかがでしょう。もし日程の関係でサマーインターンシップの参加が難しかったり、選考で落ちてしまった方でも、秋から冬にかけてインターンシップを実施する企業もあるので、諦めずにチェックしてください。2019卒の就職活動からは、経団連が「インターンシップ(就業体験)は5日間以上」とする日数規定を削除したため、1dayインターンシップなど短期プログラムを実施する企業も増加しています。インターンシップ参加のチャンスは広がっているので、この機会を活用し、就職活動が本格的に始まるまでに自分の適性や社会に対する理解を深め、準備を進めてみてはいかがでしょう。
まとめ
企業は2019卒の就職活動の状況を踏まえ、2020卒の採用スケジュールやプロセスの見直しを検討しているところも少なくありません。それゆえ、就活生は情報に対する感度を高めつつ、行動計画をしっかり考えることが一層重要となります。そして就職活動が本格化するまでの時間を活用し、社会についての理解を深めたり、自身のスキルアップに努めたりと、時間を有意義に使ってください。「自分が将来どうなりたいのか」「そのためにいま何をするべきなのか」この夏、考えてみてください。
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