Q1.就職活動はどんなスケジュールでしたか

就活を始めたのは修士1年の6月頃です。当初はメーカーやシンクタンクのインターンシップに参加していました。その後、同年11月から翌年2月に欧州への留学を挟んで11社にエントリーし、6月に三菱重工業から内定をいただいて就職活動を終えました。

Q2.どんな業界や職種を希望しましたか

大学院では原子力の新しい燃料について研究していたので、何らかの形で原子力に関わる仕事がしたいという想いがあり、メーカーもしくは研究機関への就職を考えていました。その後、研究室の先輩の勧めもありシンクタンクなども検討対象に加えたほか、学内での企業説明会を経て、幅広くエネルギーに関われる商社、電力会社なども考えるようになりました。

Q3.内定先を決めたポイントは

最終的にメーカーである三菱重工業を選んだ理由ですが、欧州への留学経験が大きく影響しています。日本でシミュレーションした研究内容を実験する目的で行ったのですが、日本人は私1人でした。そうした状況で多くの外国人と話していると、「日本において原子力の技術は役立たないのではないか?」「原発事故もあったし厳しいだろう」という意見を頻繁に聞きました。私自身はそんなことはないと考えていたので、この留学を通して「日本の技術力を世界に示し、日本のプレゼンスを高めていける仕事がしたい」という想いを強く持つようになりました。そして、当時私が検討している企業の中でその想いを実現できそうだと感じたのが三菱重工業だったのです。同社は以前からフランスを中心とした海外に原子力技術・プラント技術を提供しており、国内の競合メーカーの中でもグローバル基準の開発を進めているという特徴がありました。また、同社は技術職を領域別に採用していたので、入社すれば確実に志望領域の仕事に就ける募集形態だったことも大きいですね。

Q4.就職活動で一番苦労したことはなんですか

就活の間に約4カ月留学していたので、研究との両立には苦労しました。帰国の2日後に面接が設定されていた会社もあったので留学中も気が抜けず、17時までは研究に集中し、それ以降の時間はネットでの情報収集、メールでのやり取りや付箋を使ってタスク管理をするなど就活のための時間に充てていました。Skypeを使って日本にいるOBや社員の方々のお話を伺うこともありました。

Q5.就職活動で大切だと感じたことは

研究内容については、「正確性」よりも「分かりやすさ」を重視して伝えることが大切だと思います。面接担当の方の多くは文系出身者です。研究内容を専門用語を用いて正確に話すと専門外の方にとっては難解で、結局のところ何も伝わりません。面接官に興味を持って話を聞いていただくためには、分かりやすく伝えると同時に、自分の研究内容を喫緊の社会課題・社会的関心事などに結びつけ、その研究が社会にどのようなメリットをもたらすのかについて語ると効果的です。

Q6.これから就活に臨む方へのアドバイスをお願いします

自分の就活の軸となる考えを持っておくことは重要です。私の場合、留学以降は「日本の産業を強くしたい、日本のプレゼンスを上げたい」という想いが軸になっていましたが、「ポルシェを30代で購入できるようにお金を稼ぎたい」という考えの友人もいました。少し極端ではありますが、そうした個人的な願望でも問題ないと思います。軸となる考え方、自分が本当に求めているものが分かれば就活に迷いがなくなるはずです。

●就活プロフィール

就活開始2016年6月
就活終了2017年6月
志望業界メーカー、コンサル・シンクタンク、商社
エントリー11社
面接社数8社
内定社数4社
内定先三菱重工業株式会社