Q1.就職活動はどんなスケジュールでしたか

修士1年の7月頃から情報収集を始め、9月にコンサルティングファームと製薬メーカーのサマーインターンに参加したことで、「社会で働くとはどういうことなのか」、研究室との違いを肌で知ることができました。

説明会や理系ナビ主催のセミナーにも積極的に参加し、様々な業界を幅広く見て、年明けから本格的に就職活動を開始。2月には自分の研究内容と関連する、バイオ系事業も行う化学品専門商社のインターンにも参加しましたが、最終的には総合商社で働きたいという思いに至り、6月に三菱商事から内定をいただきました。

Q2.どんな業界や職種を志望しましたか

まず大きな軸としては、社会に与えるインパクトが大きく、海外とも接点を持てる事業に携わりたいと考えていました。

最初は「自分の研究分野を活かしたい」と、医薬品メーカーを志望していたのですが、特定のメーカーに就職すると自社の製品にしか関われません。また、コンサルのインターンでは優秀な方々に出会いましたが、社外からの関与ではなくプレーヤーとしてビジネスに関わりたいという思いにも気づきました。「幅広く、主体的な仕事をしたい」と考えた時、選択肢に浮かんできたのが商社でした。

中でも専門商社ではなく総合商社を志望したのは、研究に打ち込んできた経験は、業界に関わらずどこでも通用するのではないかと思えたからです。

文系理系に関わらずフラットな視点で考えたからこそ、総合商社という選択肢を選べたのだと思います。

Q3.就職活動で大切だと感じたことは

自分は何がしたいのか、とことん考え抜くこと。そして、できれば実際に働く社員に会って、生の声を聞くことです。

私は研究室に同期が1人もいなかったため、エントリーシートや面接対策などのアドバイスを十分にもらえませんでした。だからこそ、とにかく自分の頭で必死に考え続け、面接後にはノートに反省点を書き出して、「こうすればもっと伝わるのでは」など自分自身でブラッシュアップを続けていました。

そして何より一番学びが大きかったのは、OB訪問や座談会などの機会で、現役社員の話を聞いたことです。WEBや紙の情報だけでは知ることのできない情報も沢山あります。その社員が普段どういう仕事をしているのか、学生時代にどんなことをしていたのかを聞くことでリアルな仕事のイメージを持つことができ、「真面目でストイックな人が多い仕事」だと知ったことも、商社を志す大きな理由になりました。

私の場合は実験系の研究なので、タイムマネジメントも非常に苦労しましたが、「これを乗り越えたらレベルアップできる」と自分を奮い立たせることで乗り切りました。

Q4.これから就活に臨む方へのアドバイスをお願いします

院生の場合はメーカーの開発職など、研究分野と近い仕事を目指す人が多いと思います。ですが、研究内容にこだわらず、色々な分野を見ることで、思いもかけない発見も得られるはずです。

そして、なぜ自分はこの仕事がしたいのか、突き詰めて考えること。研究分野と異なる進路を選ぶのは勇気が必要でしたが、とにかく悩んで、考えて、それで納得感を得たからこそ、面接でどんな質問が来ても答えられるようになりました。

周囲に就活の仲間があまりいなくても、真剣に考え抜けば、必ず自分の進路は見つかるはずです。それと、自信を持って就活に臨むためには、本気で研究に取り組んできたという経験も大きな武器になりますよ。

●就活プロフィール

就活開始2015年7月
就活終了2016年6月
志望業界商社、コンサル、メーカー
エントリー11社
面接社数9社
内定社数4社
内定先三菱商事株式会社