Q1.就職活動はどんなスケジュールでしたか

修士1年の秋ごろから専攻科主催の合同説明会などに参加していましたが、本格的に就職活動がスタートしたのは、国家公務員試験の出願が始まった修士2年の4月でした。5月末の1次試験、6月~7月の2次試験に加え、東京都も併願していたため試験が続きましたが、8月に官庁訪問をして面接を受け、最終的に国土交通省から内定をいただきました。

Q2.どんな業界や職種を志望しましたか

私の専攻は土木工学で、特に河川工学を研究しており、将来の仕事でも専門性を活かして人の役に立ちたいと考えていました。就活を意識し始めたころは建設コンサルタントなど民間企業への就職にも関心がありましたが、社会基盤をより根幹から支えることで世の中に貢献したいという想いが強かったため、公務員を志望しました。志望先を決める上で強く影響を受けたのは、研究室の教授と国土交通省職員の方が毎月行っている勉強会でした。河川の氾濫を防ぐための計画や、実際に起きた洪水被害と今後の対策など、実践的なテーマに対して毎回熱い議論が繰り広げられています。その議論を聞いて、現場の第一線で国民の安心・安全のために尽力している職員の方々の情熱に触れるうちに、国土交通省の仕事の魅力に引き込まれていきました。私もこの人たちのように強い使命感と誇りを持って社会を支えたい、必要とされる人材になりたいと思い、志望先を国土交通省に絞っていきました。

Q3.就職活動で一番苦労したことはなんですか

研究と就職活動を両立させることが大変でした。特に私の所属する研究室では、週に1回研究発表を行っているためコンスタントに忙しいです。その上、学会に論文も投稿していたため、5月~7月は論文の執筆と普段の研究活動、そして公務員試験が重なり非常に苦労しました。両立のために工夫していたのは、隙間時間をうまく使うことです。研究室にいる時は研究に集中し、就職活動のことは通学電車の中や家に帰ってからするように心掛けていました。公務員試験対策ですが、大学院での自分の専門性が活きる科目を選択することで、特別な対策は必要ありませんでした。官庁訪問での面接試験も特別な対策をしたわけではありませんが、研究発表や教授との議論など、人前で話す場を有効活用して、ロジカルに説明したり、結論から端的に話したりといったコミュニケーション力が鍛えられていたことが、良い評価につながったと思います。

Q4.これから就活に臨む読者へのアドバイスをお願いします

公務員試験の勉強に関しては、なるべく早い段階で集中して行うのが良いと思います。公務員試験は合格から3年間資格が有効で、学部4年次の合格の資格で修士2年次に採用面接をして内定を獲得した方もたくさんいます。少しでも公務員に興味があるのなら、やっておいて損はありません。また、官庁訪問など面接に不安を持っている方も多いと思いますが、模範解答を用意するのではなく、自分のバックグラウンドをきちんと理解して、それを基に自分自身の言葉で表現できることが重要です。そして、就活にも研究にも共通して重要なのが、日々何事にも粘り強く取り組むこと。諦めずに自分を信じ続ければ、きっと成果が出ます。これは社会人になってからも大切な資質なのだと思います。

●就活プロフィール

就活開始2015年4月
就活終了2015年10月
志望業界国家公務員、地方公務員
エントリー4社
面接2社
内定社数2社
内定先国土交通省(国家公務員総合職 技術系)